黒毛和種去勢肥育牛の出荷月齢早期化を可能にする飼料給与技術
黒毛和種の去勢肥育において,7か月齢からの肥育開始,飼料増給を行うことで,これまでと遜色ない重量・肉質・締まり・脂肪酸組成を確保しつつ,出荷月齢の早期化が可能かを検討した。加えて,締まりの客観的評価方法を検討した。肥育前期として設定した7~11か月齢に,第1期(2017-2018)では前期粗飼料多給区(粗飼料由来TDN割合40%の分離給与)と,前期濃厚飼料多給区(粗飼料由来TDN割合25%の分離給与)とを比較した。第2期(2019-2020)では粗飼料多給をより効果的に行えるよう,粗飼料由来TDN割合40%の発酵TMRを給与する前期発酵TMR給与区を設定し,第1期と同様,前期濃厚飼料多給区(粗...
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Veröffentlicht in: | 新潟県農業総合研究所研究報告 = Journal of the Niigata Agricultural Research Institute 2022-03 (19), p.70-74 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 黒毛和種の去勢肥育において,7か月齢からの肥育開始,飼料増給を行うことで,これまでと遜色ない重量・肉質・締まり・脂肪酸組成を確保しつつ,出荷月齢の早期化が可能かを検討した。加えて,締まりの客観的評価方法を検討した。肥育前期として設定した7~11か月齢に,第1期(2017-2018)では前期粗飼料多給区(粗飼料由来TDN割合40%の分離給与)と,前期濃厚飼料多給区(粗飼料由来TDN割合25%の分離給与)とを比較した。第2期(2019-2020)では粗飼料多給をより効果的に行えるよう,粗飼料由来TDN割合40%の発酵TMRを給与する前期発酵TMR給与区を設定し,第1期と同様,前期濃厚飼料多給区(粗飼料由来TDN割合25%の分離給与)と比較した。いずれの区も12か月齢以降は同様の飼料給与内容とし,14か月齢には濃厚飼料を日量10kgまで増給し,出荷まで維持した。その結果,いずれの区もこれまでの約30か月齢出荷より3~4か月の出荷月齢早期化が可能であり,枝肉重量,格付等級及び脂肪酸組成等についても,これまでと同等以上の仕上がりとなった。なかでも,前期発酵TMR給与区はばらつきの少ない増体重が得られ,安定した早期化が期待される。締まりの等級と胸最長筋の水分,BMSと胸最長筋の水分には高い負の相関が認められたことから,締まりの客観的評価法として,胸最長筋の水分が指標となる。締まりの低下を防ぐためには,BMSを高める飼養管理が重要と考えられた。 |
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ISSN: | 1344-9206 |