水稲晩生品種「新之助」におけるいもち病発病リスクの評価と防除対応

水稲晩生品種「新之助」のいもち病発生リスクを明らかにし防除対応検討の一助とするために,いもち病感受性を既存品種の「コシヒカリ」または「わたぼうし」と比較した。ポット栽培イネに対する噴霧接種では,葉の病斑数は「新之助」が「コシヒカリ」と同等~2倍程度に多く,病斑は「新之助」がわずかに大きい傾向であった。発病籾率は「新之助」が「コシヒカリ」と同程度~やや高かった。所内及び現地のほ場試験において,「コシヒカリ」または「わたぼうし」と発病程度を比較した結果,「新之助」は「コシヒカリ」より葉の発病が多く推移し,「わたぼうし」と葉,穂ともほぼ同程度の発病であった。「新之助」では,育苗箱施用剤及び穂いもち病...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:新潟県農業総合研究所研究報告 = Journal of the Niigata Agricultural Research Institute 2022-03 (19), p.17-24
Hauptverfasser: 堀, 武志, 松澤, 清二郎, 黒田, 智久
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:水稲晩生品種「新之助」のいもち病発生リスクを明らかにし防除対応検討の一助とするために,いもち病感受性を既存品種の「コシヒカリ」または「わたぼうし」と比較した。ポット栽培イネに対する噴霧接種では,葉の病斑数は「新之助」が「コシヒカリ」と同等~2倍程度に多く,病斑は「新之助」がわずかに大きい傾向であった。発病籾率は「新之助」が「コシヒカリ」と同程度~やや高かった。所内及び現地のほ場試験において,「コシヒカリ」または「わたぼうし」と発病程度を比較した結果,「新之助」は「コシヒカリ」より葉の発病が多く推移し,「わたぼうし」と葉,穂ともほぼ同程度の発病であった。「新之助」では,育苗箱施用剤及び穂いもち病防除により発病は抑制されるものの,多発生条件下では防除効果はやや不十分で,茎葉散布剤による葉いもち追加防除を加えた体系防除で減収レベル以下に発病が抑制された。「新之助」はいもち病感受性が「コシヒカリ」より高く「わたぼうし」並で,いもち病の発生リスクが高かったため,葉いもち及び穂いもち両方の防除対応が必須と考えられた。また,多発生条件下では追加防除が必要になると考えられた。
ISSN:1344-9206