フタオビコヤガの発生予察における合成性フェロモントラップの活用

新潟県におけるフタオビコヤガ合成性フェロモントラップの実用性を明らかにするために,誘殺数及び誘殺消長を予察灯や有効積算温度シミュレーションによる推定発生時期と比較し,さらにフェロモントラップ誘殺数の世代間の関係を解析した。フェロモントラップ誘殺数の年次推移は予察灯と類似し,すべての世代で予察灯より誘殺が多かった。フェロモントラップの誘殺消長では越冬世代の明瞭な誘殺が見られ,第1世代以降の誘殺時期は予察灯と概ね一致した。有効積算温度シミュレーションによる推定発生時期とも5割以上の年次で一致し,特に防除上重要な第2世代での一致率が高かった。予察灯の代替としてフェロモントラップの実用性は高く,発生時...

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Veröffentlicht in:新潟県農業総合研究所研究報告 = Journal of the Niigata Agricultural Research Institute 2022-03 (19), p.9-16
Hauptverfasser: 高橋, 和大, 岩田, 大介, 石本, 万寿広
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:新潟県におけるフタオビコヤガ合成性フェロモントラップの実用性を明らかにするために,誘殺数及び誘殺消長を予察灯や有効積算温度シミュレーションによる推定発生時期と比較し,さらにフェロモントラップ誘殺数の世代間の関係を解析した。フェロモントラップ誘殺数の年次推移は予察灯と類似し,すべての世代で予察灯より誘殺が多かった。フェロモントラップの誘殺消長では越冬世代の明瞭な誘殺が見られ,第1世代以降の誘殺時期は予察灯と概ね一致した。有効積算温度シミュレーションによる推定発生時期とも5割以上の年次で一致し,特に防除上重要な第2世代での一致率が高かった。予察灯の代替としてフェロモントラップの実用性は高く,発生時期の予察として利用可能であると考えられた。また,第2世代及び第3・第4世代のフェロモントラップ誘殺数は前世代誘殺数と強い正の相関が見られ,今後フェロモントラップ誘殺数による発生量や被害程度の予察に利用できる可能性が示唆された。
ISSN:1344-9206