制限給与下で飼育した黒毛和種育成牛の増体・発育成績と枝肉重量のゲノム育種価の関係

近年利用が広がるゲノミック評価では早期に個体の能力を推定できることから,活用による牛群改良の加速が期待される。また,推定される能力に応じた個体管理による効率的な飼育が期待される。本研究では特に増体・発育と関連が深いと推察される枝肉重量のゲノム育種価に着目し,その評価の違いと育成期の増体・発育との関係について検討した。当課の120~300日齢の黒毛和種育成牛について,粗濃比の異なる飼料の制限給与により飼育したところTDN,CP摂取量に差は見られたものの,増体・発育に区間で明瞭な差はみられなかった。供試牛について一般社団法人家畜改良事業団によるゲノミック評価を実施し,枝肉重量のゲノム育種価が上位(...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:徳島県立農林水産総合技術支援センター畜産研究課研究報告 = Bulletin of Tokushima Prefectural Agriculture, Forestry and Fisheries Technology Support Center Livestock Research Division Forestry and Fisheries Technology Support Center Livestock Research Division, 2023-03 (22), p.1-7
Hauptverfasser: 田渕, 雅彦, 山口, 貴大, 中川, もも, 可児, 宏章
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:近年利用が広がるゲノミック評価では早期に個体の能力を推定できることから,活用による牛群改良の加速が期待される。また,推定される能力に応じた個体管理による効率的な飼育が期待される。本研究では特に増体・発育と関連が深いと推察される枝肉重量のゲノム育種価に着目し,その評価の違いと育成期の増体・発育との関係について検討した。当課の120~300日齢の黒毛和種育成牛について,粗濃比の異なる飼料の制限給与により飼育したところTDN,CP摂取量に差は見られたものの,増体・発育に区間で明瞭な差はみられなかった。供試牛について一般社団法人家畜改良事業団によるゲノミック評価を実施し,枝肉重量のゲノム育種価が上位(H,A),中位(B),下位(C,D)の3群に分け,増体・発育の比較を行った。雄の上位群は補正体重,補正体高,補正胸囲において他群よりも高く推移した。雌の上位群は300日齢の補正胸囲とその30日平均増加量において他群よりも有意に大きかった。枝肉重量のゲノム育種価が上位の個体は胸囲の増加が顕著であることが示唆され,ルーメン発達との関連について今後検討が必要である。
ISSN:2188-6083