ソタロールにより失神が消失した多形性心室頻拍の猫の1例
18歳の雑種猫が,失神を主訴に来院した。身体検査では,聴診にて心拍数は180回/分でリズムの不整が認められた。心電図検査では,多形性の期外収縮ならびに心室頻拍を認め,またQT間隔は,正常上限もしくはわずかな延長が示唆された(200 msec)。また,心筋トロポニンIの上昇が認められた(0.218 ng/ml)。胸部レントゲン検査や心エコー図検査では心臓形態に異常は認められなかったが,心エコー図検査中に振幅の変動を伴う多形性心室頻拍を生じると同時に強直し,その後に失神を呈した。以上の所見から,失神は多形性心室頻拍によるものと考えた。QT延長に伴うTorsades de Pointes(TdP)の...
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Veröffentlicht in: | Dōbutsu no junkanki 2022/12/30, Vol.55(2), pp.73-78 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 18歳の雑種猫が,失神を主訴に来院した。身体検査では,聴診にて心拍数は180回/分でリズムの不整が認められた。心電図検査では,多形性の期外収縮ならびに心室頻拍を認め,またQT間隔は,正常上限もしくはわずかな延長が示唆された(200 msec)。また,心筋トロポニンIの上昇が認められた(0.218 ng/ml)。胸部レントゲン検査や心エコー図検査では心臓形態に異常は認められなかったが,心エコー図検査中に振幅の変動を伴う多形性心室頻拍を生じると同時に強直し,その後に失神を呈した。以上の所見から,失神は多形性心室頻拍によるものと考えた。QT延長に伴うTorsades de Pointes(TdP)の可能性も考えられたが,QT延長によらない何らかの心筋疾患に伴う多形性心室頻拍の可能性の方が高いと判断し,ソタロールによる治療を選択した。ただしTdPであった場合のリスクを考慮し,ソタロールは低用量(0.5 mg/kg, 1日2回)から開始した。投与開始直後から失神回数は速やかに減少し,最終的に1.0 mg/kgに増量したところで症状は消失し,極めて良好な反応が得られた。 |
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ISSN: | 0910-6537 1883-5260 |
DOI: | 10.11276/jsvc.55.73 |