三重県北中部の低地に分布する水田土壌の特性と分類

三重県北中部に位置する水田土壌4断面を対象に,断面形態,理化学性および土壌分類について調査した。4断面はいずれも沖積平野に位置し,日本土壌分類体系では沖積土大群(ペドンM01:グライ化灰色沖積土,ペドンM02:表層グライ化灰色沖積土,ペドンM03:普通灰色沖積土,ペドンM04:普通灰色沖積土),包括的土壌分類第1次試案(包括1次試案)では灰色低地土大群(ペドンM01:細粒質グライ化灰色低地土,ペドンM02:細粒質表層グライ化灰色低地土,ペドンM03:細粒質普通灰色低地土,ペドンM04:粗粒質普通灰色低地土),World reference base for soil resources 201...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Pedorojisuto 2022, Vol.66(1), pp.17-30
Hauptverfasser: 水谷, 嘉之, 大門, 奈那子, 藤井, 琢馬, 西, 美弥子, 平舘, 俊太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:三重県北中部に位置する水田土壌4断面を対象に,断面形態,理化学性および土壌分類について調査した。4断面はいずれも沖積平野に位置し,日本土壌分類体系では沖積土大群(ペドンM01:グライ化灰色沖積土,ペドンM02:表層グライ化灰色沖積土,ペドンM03:普通灰色沖積土,ペドンM04:普通灰色沖積土),包括的土壌分類第1次試案(包括1次試案)では灰色低地土大群(ペドンM01:細粒質グライ化灰色低地土,ペドンM02:細粒質表層グライ化灰色低地土,ペドンM03:細粒質普通灰色低地土,ペドンM04:粗粒質普通灰色低地土),World reference base for soil resources 2014(WRB 2014)ではFluvisols(ペドンM01:Eutric Gleyic Pantofluvic Fluvisol (Pantoloamic),ペドンM02:Eutric Pantofluvic Fluvisol (Anoloamic),ペドンM03:Eutric Pantofluvic Fluvisol (Pantoloamic),ペドンM04:Eutric Pantofluvic Fluvisol (Endoarenic))に分類された。ペドンM01では14~20 cm深,M02では13~24 cm深において灌漑水由来と考えられるグライ特徴が確認された。表層にグライ特徴をもつ土壌は,水田高度利用における畑作において作物への悪影響が懸念されるため,分類名においてその特徴を適切に表現できる分類体系は有用と考えられる。ペドンM03とM04は水田表層以外の特徴層位を持たず,日本土壌分類体系では同じ分類名となった。一方,包括1次試案では統群において土性の違いを組み込むことによって,WRB 2014では土性とその分布の違いについてSupplementary qualifiersならびにSubqualifiersを付すことによって区別された。
ISSN:0031-4064
2189-7336
DOI:10.18920/pedologist.66.1_17