全国新酒鑑評会出品酒の「甘臭・カラメル様」「焦臭」指摘に関与する成分とその生成要因の解析
全国新酒鑑評会出品酒の「甘臭・カラメル様」,「焦臭」に寄与する成分およびその生成要因について検討した。揮発成分の網羅的解析の結果,鑑評会審査において「甘臭・カラメル様」(以下「甘臭」と略)もしくは「焦臭」の指摘が多かった出品酒(指摘酒)は,これらの指摘のなかった成績上位酒(対照酒)に比べて,アルデヒド類,アセタール類,含硫化合物などが多い傾向がみられた。また,GC-olfactometryにより,「甘い」においを連想させる成分としてホモフラネオールなどが見いだされた。網羅的解析およびGC-olfactometryにより見いだされた成分(候補成分)を対照酒に添加すると,官能評価による「甘臭」およ...
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Veröffentlicht in: | Nippon Jōzō Kyōkaishi 2022, Vol.117(9), pp.657-667 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 全国新酒鑑評会出品酒の「甘臭・カラメル様」,「焦臭」に寄与する成分およびその生成要因について検討した。揮発成分の網羅的解析の結果,鑑評会審査において「甘臭・カラメル様」(以下「甘臭」と略)もしくは「焦臭」の指摘が多かった出品酒(指摘酒)は,これらの指摘のなかった成績上位酒(対照酒)に比べて,アルデヒド類,アセタール類,含硫化合物などが多い傾向がみられた。また,GC-olfactometryにより,「甘い」においを連想させる成分としてホモフラネオールなどが見いだされた。網羅的解析およびGC-olfactometryにより見いだされた成分(候補成分)を対照酒に添加すると,官能評価による「甘臭」および「焦臭」の強度が指摘酒に近づく傾向がみられ,候補成分の「甘臭」「焦臭」への関与が示唆された。これらの特性の生成要因について検討するため,小仕込み試験を行った。もろみへの酵素剤添加やもろみ期間の延長により,原エキス分や酵母死滅率の増加とともに,アルデヒド類,アセタール類,含硫化合物,ホモフラネオールなどが増加した。また,火入れ前に貯蔵することにより,アルデヒド類やアセタール類が大きく増加した。これらの結果から,もろみでの米の溶解や酵母の死滅,ならびに貯蔵が「甘臭」「焦臭」に関与する成分の生成に影響を及ぼすことが示唆された。 |
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ISSN: | 0914-7314 2186-4012 |
DOI: | 10.6013/jbrewsocjapan.117.657 |