キクの電照栽培の再考察

キクは日長制御による開花調節を活用している品目で,人工光源で開花期を調節したキクは電照菊と呼ばれる.近年,白熱電球から蛍光灯やLEDへの切替えが電照技術を見直すきっかけとなり,電照方法に関する再検証が行われた.本総説では,キクの電照栽培において,どの光質の光を,どの時間帯に,どのように照射すれば効率的な花成抑制につながるかをテーマに,過去の電照方法の変遷,電照試験における留意点を確認しつつ再考を行った.暗期中断に効果の高いR光の波長は660 nm付近ではなく短波長側にシフトしていること,FR光のR光に対する打消し作用は照射時間で変化し,長時間の電照では打消し作用が発現しないこと,間欠照明は連続...

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Veröffentlicht in:Engeigaku kenkyuu 2022, Vol.21(3), pp.255-267
1. Verfasser: 白山, 竜次
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:キクは日長制御による開花調節を活用している品目で,人工光源で開花期を調節したキクは電照菊と呼ばれる.近年,白熱電球から蛍光灯やLEDへの切替えが電照技術を見直すきっかけとなり,電照方法に関する再検証が行われた.本総説では,キクの電照栽培において,どの光質の光を,どの時間帯に,どのように照射すれば効率的な花成抑制につながるかをテーマに,過去の電照方法の変遷,電照試験における留意点を確認しつつ再考を行った.暗期中断に効果の高いR光の波長は660 nm付近ではなく短波長側にシフトしていること,FR光のR光に対する打消し作用は照射時間で変化し,長時間の電照では打消し作用が発現しないこと,間欠照明は連続照明と同等の効果が得られるとされていたが,一般的な同一時間帯における間欠照明では連続照明に劣ることなどを議論した.暗期中断の時間帯については,連続暗期を効率よく分断するという考え方と概日リズムの関与という考え方を比較し,限界暗期付近に最も光に敏感な時間帯(NBmax)が存在するが,それは必ずしも暗期の中央ではなく,日没から一定時間後に現れることについて議論した.NBmaxに基づいた実用的な電照方法について説明した.
ISSN:1347-2658
1880-3571
DOI:10.2503/hrj.21.255