水稲品種「だて正夢」において適正籾数を得るための土壌窒素肥沃度を考慮した窒素施肥設計法
水稲(Oryza sativa L.)栽培において適正籾数に制御することは,収量と品質の確保を両立する上で重要である.宮城県の優良品種である「だて正夢」の適正籾数は30,000~34,000粒m−2であり,幼穂形成期と穂揃期の稲体窒素量を目標範囲に制御することで適正籾数を得られることが報告されている.しかし,それを実現するための具体的な施肥設計法は示されていないことから,本研究では土壌窒素肥沃度を考慮し,適正な窒素吸収量に制御して適正籾数を得るための施肥設計法を検討した.「移植から幼穂形成期までの窒素吸収量」は,「基肥窒素量」と「移植日から幼穂形成期までの有効積算温度」を説明変数とした重回帰式...
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Veröffentlicht in: | Nippon dojō hiryōgaku zasshi 2022/06/05, Vol.93(3), pp.131-140 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 水稲(Oryza sativa L.)栽培において適正籾数に制御することは,収量と品質の確保を両立する上で重要である.宮城県の優良品種である「だて正夢」の適正籾数は30,000~34,000粒m−2であり,幼穂形成期と穂揃期の稲体窒素量を目標範囲に制御することで適正籾数を得られることが報告されている.しかし,それを実現するための具体的な施肥設計法は示されていないことから,本研究では土壌窒素肥沃度を考慮し,適正な窒素吸収量に制御して適正籾数を得るための施肥設計法を検討した.「移植から幼穂形成期までの窒素吸収量」は,「基肥窒素量」と「移植日から幼穂形成期までの有効積算温度」を説明変数とした重回帰式で,「幼穂形成期から穂揃期までの窒素吸収量」は,「追肥窒素量」と「作土中の可給態窒素量」を説明変数とした重回帰式で予測できることが明らかとなった.さらに前述した重回帰式を変換して基肥と追肥窒素量を設計するための算出式を作成した.そして,現地生産圃場の実施肥量が本算出式で求めた基肥及び追肥窒素設計量と乖離しているほど,移植から幼穂形成期までの窒素吸収量及び籾数は目標値から乖離することが示された.以上より,作成した基肥窒素量と追肥窒素量の算出式で窒素施肥量を設計することで「だて正夢」の籾数を適正籾数の範囲に制御できることが示された. |
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ISSN: | 0029-0610 2424-0583 |
DOI: | 10.20710/dojo.93.3_131 |