大玉のキンカン新品種‘宮崎王丸’における大玉果省力生産のための葉果比と摘果程度の検討

キンカン新品種‘宮崎王丸’は,既存品種よりも大玉であり,通常よりも軽い摘果でも収量や大玉果率(2L以上)向上が見込める品種として期待されている。そこで大玉果省力生産の基準作成を目的として,葉果比と摘果基準の検討を行った。葉果比の検討は,ネイハキンカンの慣行基準である10,それよりも少ない摘果である5及び7の3つの試験区で検討した。その結果,葉果比5では収穫果の2L果以上割合が低く,葉果比10では樹容積あたりの収量が低くなり,2L果以上の大玉果生産と収量向上のためには葉果比7が適当であった。更に生産現場でも活用できる摘果基準についての検討を行った。葉果比6.8の粗摘果のみ行った少摘果区と葉果比9...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:宮崎県総合農業試験場研究報告 = Bulletin of the Miyazaki Agricultural Experiment Station 2022-03 (53), p.61-71
Hauptverfasser: 原ノ後, 翔, 無田上, 重治, 本山, 宏, 平賀, 祐史, 伊藤, 俊明, 平原, 雄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:キンカン新品種‘宮崎王丸’は,既存品種よりも大玉であり,通常よりも軽い摘果でも収量や大玉果率(2L以上)向上が見込める品種として期待されている。そこで大玉果省力生産の基準作成を目的として,葉果比と摘果基準の検討を行った。葉果比の検討は,ネイハキンカンの慣行基準である10,それよりも少ない摘果である5及び7の3つの試験区で検討した。その結果,葉果比5では収穫果の2L果以上割合が低く,葉果比10では樹容積あたりの収量が低くなり,2L果以上の大玉果生産と収量向上のためには葉果比7が適当であった。更に生産現場でも活用できる摘果基準についての検討を行った。葉果比6.8の粗摘果のみ行った少摘果区と葉果比9.5の慣行摘果区で比較を行い,樹容積あたりの収量は粗摘果区で2.6kg・m-3であり,慣行摘果区の1.9kg・m-3よりも高くなった。収穫果の2L果以上割合及び果実品質は同等であった。これらのことから,‘宮崎王丸’は葉果比7程度の粗摘果のみの摘果で果実品質が低下することなく2L果以上の収穫果率が向上し大玉果生産が可能である。また,摘果の程度が軽いため,摘果労力を削減した省力的な生産が期待される。
ISSN:0388-8339