水稲新品種「山形飼糯138号」の育成

「山形飼糯138号」は,山形県農業総合研究センター水田農業試験場(現山形県農業総合研究センター水田農業研究所)において,茎葉収量が多く主食用品種との識別性のある稲発酵粗飼料(イネホールクロップサイレージ,イネWCS)品種の育成を目標として,「関東飼糯254号,たちはやて」を母,「山形糯116号」を父として,2010年に人工交配を行い,その後代から選抜・育成した品種である。本品種の熟期は“中生の晩”に属する糯種で稈長は“長稈”,草型は“中間型”で茎葉部分が多く,耐倒伏性は“強”である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は不明で,圃場抵抗性は,葉いもち・穂いもちともに発病が少なく不明である。障害型耐冷性は...

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Veröffentlicht in:山形県農業研究報告 2022-03 (13・14), p.15-35
Hauptverfasser: 齋藤, 信弥, 中場, 勝, 阿部, 洋平, 本間, 猛俊, 後藤, 元, 佐野, 智義, 渡部, 貴美子, 齋藤, 寛, 鈴木, 隆由輝, 中場, 理恵子, 石塚, 和, 結城, 和博, 横山, 克至, 安達, 成美, 佐藤, 智浩, 齋藤, 亮平, 高梨, 光法
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「山形飼糯138号」は,山形県農業総合研究センター水田農業試験場(現山形県農業総合研究センター水田農業研究所)において,茎葉収量が多く主食用品種との識別性のある稲発酵粗飼料(イネホールクロップサイレージ,イネWCS)品種の育成を目標として,「関東飼糯254号,たちはやて」を母,「山形糯116号」を父として,2010年に人工交配を行い,その後代から選抜・育成した品種である。本品種の熟期は“中生の晩”に属する糯種で稈長は“長稈”,草型は“中間型”で茎葉部分が多く,耐倒伏性は“強”である。いもち病真性抵抗性遺伝子型は不明で,圃場抵抗性は,葉いもち・穂いもちともに発病が少なく不明である。障害型耐冷性は“中”,穂発芽性は“やや難”である。「ふくひびき」と比較して全重は並で,わら重は重く,粗玄米重は軽い。また,玄米千粒重も「ふくひびき」より4~5g程度軽い。成熟期のふ先色は“褐”,頴色は“茶”で主食用品種との識別性がある。山形県における栽培適応地帯は平坦部から中山間部で,茎葉多収,イネWCS向けの糯種として活用できる。
ISSN:1883-4655