尾瀬ヶ原の下ヨサク沢に生息するイワナ Salvelinus leucomaenis の遺伝的特性について

尾瀬ヶ原を流れる本流域と平水時に隔離されている下ヨサク沢に生息するイワナの遺伝的特性を明らかにするため,本流域の集団と隔離された集団(下ヨサク沢)からサンプリングした計35尾のミトコンドリアDNAのcytochrome b領域およびマイクロサテライト領域の解析を行った。ミトコンドリアDNAのcytochrome b領域を調べた結果,両集団ともパプロタイプは1つのみであり,これまで北関東地域の集団で見られるハプロタイプであることが確認された。また,隔離された集団は本流域の集団に比べ遺伝的多様性が低く,遺伝的分化も認められたことから,2つの集団間の遺伝的交流は極めて低いことが示唆された。...

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Veröffentlicht in:Rikusuigaku zasshi 2021/09/25, Vol.82(3), pp.219-226
Hauptverfasser: 山本, 俊昭, 藤原, 英史, 萩原, 富司, 野原, 精一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:尾瀬ヶ原を流れる本流域と平水時に隔離されている下ヨサク沢に生息するイワナの遺伝的特性を明らかにするため,本流域の集団と隔離された集団(下ヨサク沢)からサンプリングした計35尾のミトコンドリアDNAのcytochrome b領域およびマイクロサテライト領域の解析を行った。ミトコンドリアDNAのcytochrome b領域を調べた結果,両集団ともパプロタイプは1つのみであり,これまで北関東地域の集団で見られるハプロタイプであることが確認された。また,隔離された集団は本流域の集団に比べ遺伝的多様性が低く,遺伝的分化も認められたことから,2つの集団間の遺伝的交流は極めて低いことが示唆された。
ISSN:0021-5104
1882-4897
DOI:10.3739/rikusui.82.219