キハダ材の微生物抵抗性
キハダ材に適した用途を見い出すために、奈良県内で生育したキハダについて、かび抵抗性、耐朽性および抗菌性を調査した。5種類のかびを用いた抵抗性試験の結果、ペニシリウムはキハダ心材試験体の側面にしか発育できなかったが、オーレオバシディウムは上面の一部を、またアスペルギルス、リゾープスおよびトリコデルマは上面全面を菌糸が被覆した。このように、かびの種類によって発育程度に差が見られたが、総合的に判断して、キハダ心材のかび抵抗性は高いとは言えなかった。また、耐朽性試験の結果、キハダ材は辺材心材とも、オオウズラタケおよびカワラタケによる重量減少率は20%以上と高く、耐朽性は低かった。一方、抗菌性試験の結果...
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Veröffentlicht in: | 奈良県森林技術センター研究報告 2021-07 (50), p.25-31 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | キハダ材に適した用途を見い出すために、奈良県内で生育したキハダについて、かび抵抗性、耐朽性および抗菌性を調査した。5種類のかびを用いた抵抗性試験の結果、ペニシリウムはキハダ心材試験体の側面にしか発育できなかったが、オーレオバシディウムは上面の一部を、またアスペルギルス、リゾープスおよびトリコデルマは上面全面を菌糸が被覆した。このように、かびの種類によって発育程度に差が見られたが、総合的に判断して、キハダ心材のかび抵抗性は高いとは言えなかった。また、耐朽性試験の結果、キハダ材は辺材心材とも、オオウズラタケおよびカワラタケによる重量減少率は20%以上と高く、耐朽性は低かった。一方、抗菌性試験の結果、黄色ぶどう球菌に対する抗菌活性値は、キハダ辺材で3.2、キハダ心材で2.2であり、キハダ材には黄色ぶどう球菌の増殖抑制効果が認められた。しかし、大腸菌に対する抗菌活性値はキハダ辺材、心材ともに低く、今回の検討では抗菌性が確認できなかった。 |
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ISSN: | 1345-9864 |