九州に所在する大規模酪農場1農場における乳牛の分娩確率と気象条件および月相の関連性の分析
本研究では,大規模酪農場で飼養されている乳牛を対象として,1日当たり分娩数と気象条件および月相の関連性を分析すること,夜間分娩に関連する要因を明らかにすること,そして潮位と分娩の関連性を明らかにすることを目的とした。九州に所在するホルスタイン種約2,500頭を飼養する大規模酪農場1農場を対象とし,2013年1月1日から2016年12月31日までの1,461日間に分娩した8,485分娩記録を収集した。1日当たり分娩数と気象条件および月相の関連性に関して,調査に用いた最高気温などの気象条件および月相は1日当たり分娩数と有意な関連性がみられなかった。夜間(19時から7時前まで)における分娩確率に関し...
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Veröffentlicht in: | Japan society of veterinary epidemiology 2021/07/20, Vol.25(1), pp.44-50 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本研究では,大規模酪農場で飼養されている乳牛を対象として,1日当たり分娩数と気象条件および月相の関連性を分析すること,夜間分娩に関連する要因を明らかにすること,そして潮位と分娩の関連性を明らかにすることを目的とした。九州に所在するホルスタイン種約2,500頭を飼養する大規模酪農場1農場を対象とし,2013年1月1日から2016年12月31日までの1,461日間に分娩した8,485分娩記録を収集した。1日当たり分娩数と気象条件および月相の関連性に関して,調査に用いた最高気温などの気象条件および月相は1日当たり分娩数と有意な関連性がみられなかった。夜間(19時から7時前まで)における分娩確率に関して,夜間分娩の割合は46.3%であり,昼間の時間帯よりも少なかった。夜間分娩確率は初産牛において2産以上の牛よりも高く,夜間分娩のオッズ比は1.11倍高かった(95%信頼区間:1.01-1.22)。また,1-3月分娩と比較して,7-9月分娩では夜間分娩のオッズ比が1.16倍高かった(95%信頼区間:1.03-1.31)。潮位と分娩数の関連性に関して,初産牛では,潮位が高くなるにつれて1時間当たり分娩数が有意に減った(回帰係数±標準誤差:0.00086±0.000362;P=0.01)。一方,2産以上の牛では潮位と分娩数の関連性はみられなかった。まとめとして,乳牛の分娩と気象条件および月相の関連性はみられなかったが,夜間分娩の確率は初産牛および7-9月分娩で高くなった。また,初産牛では潮位と分娩の関連性がみとめられた。 |
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ISSN: | 1343-2583 1881-2562 |
DOI: | 10.2743/jve.25.44 |