2010~2018年に北海道十勝管内で牛から分離されたコリスチン耐性大腸菌

2010~2018年に北海道十勝管内で牛から分離された大腸菌のコリスチン(CL)に対する耐性率は19.6%(9/46)であり,耐性株はすべてCL投薬歴がない肉用牛由来であった.プラスミド伝達試験を実施したところ,4株についてCL耐性遺伝子(mcr)が,CL以外の薬剤への耐性とともに伝達することが確認された.CLのMIC値が2mg/l 以上の12株は,mcr-1,mcr-3,mcr-5 いずれかのCL耐性遺伝子を保有しており,そのうち8株は血清型O1,O26,O111の志賀毒素産生性大腸菌であった.本調査により,牛からCL耐性遺伝子を保有するCL耐性病原性大腸菌が検出されたため,抗菌薬の慎重使用...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2021/08/20, Vol.74(8), pp.491-496
Hauptverfasser: 中谷, 敦子, 手塚, 聡, 宮根, 和弘, 加藤, 千絵子, 楠本, 正博
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:2010~2018年に北海道十勝管内で牛から分離された大腸菌のコリスチン(CL)に対する耐性率は19.6%(9/46)であり,耐性株はすべてCL投薬歴がない肉用牛由来であった.プラスミド伝達試験を実施したところ,4株についてCL耐性遺伝子(mcr)が,CL以外の薬剤への耐性とともに伝達することが確認された.CLのMIC値が2mg/l 以上の12株は,mcr-1,mcr-3,mcr-5 いずれかのCL耐性遺伝子を保有しており,そのうち8株は血清型O1,O26,O111の志賀毒素産生性大腸菌であった.本調査により,牛からCL耐性遺伝子を保有するCL耐性病原性大腸菌が検出されたため,抗菌薬の慎重使用により本菌の畜産物を介した人への伝播を防ぐ必要がある.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.74.491