琵琶湖北湖深底部における大型底生無脊椎動物群集の経年変化:1992年から2019年までの観測結果

琵琶湖北湖の水深50~90 mの深底部に位置する3地点で1992年から2019年までに行った底生動物の定量調査の結果を示した。底生動物群集で優占した動物群は3地点とも貧毛類で,なかでも,個体数ではイトミミズが,現存量ではエラミミズが多くを占めた。同一地点での底生動物の総密度や総個体数には,期間中,増加あるいは減少の明瞭な変化はみられなかった。一方,底生動物や貧毛類の密度や現存量は,第1湖盆中央部(水深90 m地点)で最も低く,次いで第2湖盆中央部(水深70 m地点),その周縁部(水深50 m地点)の順だった。湖底直上水の溶存酸素濃度も,全調査期間および循環期前の期間を通じて第1湖盆中央部で最も...

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Veröffentlicht in:Rikusuigaku zasshi 2021/02/25, Vol.82(1), pp.17-37
Hauptverfasser: 大高, 明史, 西野, 麻知子, 井上, 栄壮
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:琵琶湖北湖の水深50~90 mの深底部に位置する3地点で1992年から2019年までに行った底生動物の定量調査の結果を示した。底生動物群集で優占した動物群は3地点とも貧毛類で,なかでも,個体数ではイトミミズが,現存量ではエラミミズが多くを占めた。同一地点での底生動物の総密度や総個体数には,期間中,増加あるいは減少の明瞭な変化はみられなかった。一方,底生動物や貧毛類の密度や現存量は,第1湖盆中央部(水深90 m地点)で最も低く,次いで第2湖盆中央部(水深70 m地点),その周縁部(水深50 m地点)の順だった。湖底直上水の溶存酸素濃度も,全調査期間および循環期前の期間を通じて第1湖盆中央部で最も低く,次いで第2湖盆中央部,その周縁部の順だった。このことは,湖底直上水の溶存酸素濃度が底生動物の密度や現存量に対して長期的な影響を与えていたことを示唆している。
ISSN:0021-5104
1882-4897
DOI:10.3739/rikusui.82.17