岡山県の水稲との二毛作において二条大麦の安定多収生産を実現する効率的な耕起・播種体系

本研究では,岡山県南部の大規模麦作経営体を対象に,麦作の作業体系,導入機械とその使用方法,優先する作業等を調査・分析し,岡山県南部の大規模麦作経営の管理手法を明らかにすることで,規模拡大と安定多収を可能にする作業体系を策定した。1.岡山県の二条大麦における気象要素と収量の資料解析の結果,岡山県の二条大麦の単収は,気象要素として4月と11月の多降雨,4月の高温に影響されており,圃場の乾田化促進や排水対策強化の必要性が再認識された。2.大規模水田作経営体が麦作の安定多収生産を目指すためには,播種前の排水対策と,11月中下旬の適期播種が重要である。その手段として,水稲作期間中の中干しの強化や溝切りに...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:岡山県農林水産総合センター農業研究所研究報告 = Bulletin of the Research Institute for Agriculture Okayama Prefectural Technology Center for Agriculture, Forestry, and Fisheries Forestry, and Fisheries, 2020-12 (11), p.7-19
Hauptverfasser: 河田, 員宏, 大久保, 和男
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では,岡山県南部の大規模麦作経営体を対象に,麦作の作業体系,導入機械とその使用方法,優先する作業等を調査・分析し,岡山県南部の大規模麦作経営の管理手法を明らかにすることで,規模拡大と安定多収を可能にする作業体系を策定した。1.岡山県の二条大麦における気象要素と収量の資料解析の結果,岡山県の二条大麦の単収は,気象要素として4月と11月の多降雨,4月の高温に影響されており,圃場の乾田化促進や排水対策強化の必要性が再認識された。2.大規模水田作経営体が麦作の安定多収生産を目指すためには,播種前の排水対策と,11月中下旬の適期播種が重要である。その手段として,水稲作期間中の中干しの強化や溝切りによる明渠施工が水稲作後の圃場の乾田化に有効である。加えて,麦作の排水対策では,本暗渠の施工や心土破砕の励行,適期に播種が可能な高速の耕起作業機の導入や砕土・整地の省略,圃場の排水良否に対応可能な作業機の導入が有効である。3.麦作の安定多収生産を実現する効率的な耕起・播種体系は,土壌を膨軟にする高速作業機(パラソイラー)による耕起と,砕土・整地の省略,圃場の排水良否に対応した2種類の播種方式(正転及び逆転ロータリ播種)を組み合わせることで,慣行体系に比べて最大で1.7倍の面積への適期播種が可能となる。
ISSN:2185-8039