焙煎処理がヒハツモドキ乾燥果実の物理化学的特性および抗酸化能に及ぼす影響

本研究では,焙煎処理がヒハツモドキ(Piper retrofractum Vahl)乾燥果実の物理化学的特性および抗酸化能に及ぼす影響について検討した。ヒハツモドキ果実の質量は焙煎温度に伴って減少したが,短径および硬度は焙煎温度に伴った変化を示さず,特に180℃では短径が伸長し,硬度の低下を示した。焙煎果実の色調もまた焙煎温度に大きな影響を受けた。ヒハツモドキ乾燥果実中のピペリン含量は,140℃および180℃の焙煎温度でのみ有意な減少を示した。抗酸化能の評価では総フェノール含量は180℃までは影響を受けないが,DPPHラジカル消去活性はピペリン含量の減少に伴って顕著な減少を示した。従って,ピペ...

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Veröffentlicht in:Food preservation science 2020-11, Vol.46 (5), p.217-225
Hauptverfasser: 高橋, 誠, 大城, 牧子, 大江, 萌那, 新垣, 美香, 和田, 浩二
Format: Artikel
Sprache:eng
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では,焙煎処理がヒハツモドキ(Piper retrofractum Vahl)乾燥果実の物理化学的特性および抗酸化能に及ぼす影響について検討した。ヒハツモドキ果実の質量は焙煎温度に伴って減少したが,短径および硬度は焙煎温度に伴った変化を示さず,特に180℃では短径が伸長し,硬度の低下を示した。焙煎果実の色調もまた焙煎温度に大きな影響を受けた。ヒハツモドキ乾燥果実中のピペリン含量は,140℃および180℃の焙煎温度でのみ有意な減少を示した。抗酸化能の評価では総フェノール含量は180℃までは影響を受けないが,DPPHラジカル消去活性はピペリン含量の減少に伴って顕著な減少を示した。従って,ピペリン含量と抗酸化能を含む食品品質を考慮すると,120℃で30分までの焙煎温度および時間が,ヒハツモドキを用いた香辛料を製造するにあたり食品機能を維持する最適な条件であることが示唆された。
ISSN:1344-1213