施設ミニトマト有機JAS認証圃場における主要害虫の 10 年間の年次変動に基づいた管理対策
施設ミニトマトにおいて有機JAS 規格で実施可能な害虫管理プログラム(IPM プログラム)を検討するために,2009 年~2013 年および2015 年~2019 年の栽培期間中,茨城県内の有機認証圃場(面積11 ~22 a)において2 週間に1 回,植物上の害虫種と個体数を調査した.主要害虫は,コナジラミ類,アブラムシ類,トマトサビダニであった.コナジラミ類は天敵ツヤコバチ類の放飼により著しい被害がでない程度に抑制した.ワタアブラムシには天敵コレマンアブラバチを用いた.2009 年と2010 年の接種的放飼ではワタアブラムシがハウス全体に広がったため,2011 年以降はバンカー法を実施するこ...
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Veröffentlicht in: | 農研機構研究報告 2020/11/30, Vol.2020(5), pp.31-48 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Zusammenfassung: | 施設ミニトマトにおいて有機JAS 規格で実施可能な害虫管理プログラム(IPM プログラム)を検討するために,2009 年~2013 年および2015 年~2019 年の栽培期間中,茨城県内の有機認証圃場(面積11 ~22 a)において2 週間に1 回,植物上の害虫種と個体数を調査した.主要害虫は,コナジラミ類,アブラムシ類,トマトサビダニであった.コナジラミ類は天敵ツヤコバチ類の放飼により著しい被害がでない程度に抑制した.ワタアブラムシには天敵コレマンアブラバチを用いた.2009 年と2010 年の接種的放飼ではワタアブラムシがハウス全体に広がったため,2011 年以降はバンカー法を実施することで,継続的に低密度に抑制した.チューリップヒゲナガアブラムシは,2010 年以降,天敵チャバラアブラコバチ(試験的使用含む)を用いて抑制した.2016 年のみは定植直後からのチューリップヒゲナガアブラムシの発生により,天敵による密度抑制が不可能となり,栽培を中止したハウスがあった.これは,育苗圃への害虫の持ち込みが原因であったため,翌年以降はこれを防ぐ作業分担とした.トマトサビダニは2009 ~2011 年は被害株率が20%以上におよんだが,ミルベメクチン乳剤が有機栽培適合資材となり散布できるようになったため,2012 年以降抑制が可能となった.これらの対策により,当初2,000kg /10a に満たなかった収穫量が,2019 年には5,000kg に達した.これらの圃場での実践を経て確立したIPM プログラムを提示した. |
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ISSN: | 2434-9895 2434-9909 |
DOI: | 10.34503/naroj.2020.5_31 |