新規スクロースアナログ二糖のヒト腸内細菌増殖効果の評価とそれらの分解に関わる酵素の調査

我々は,糖転移型β-フルクトフラノシダーゼを利用し,スクロース(Suc)のグルコース残基がグルコサミン,N-アセチルグルコサミン(SucNAc),グルクロン酸,あるいはグルクロン酸アミドに置き換わったスクロサミン,N-アセチルスクロサミン,スクロン酸,およびスクロン酸アミドの酵素合成に成功している。そこで,これら新規Sucアナログ二糖のプレバイオティクス機能の評価の一環として,ヒト腸内由来の各種ビフィズス菌と乳酸菌による本二糖の資化性試験を行った。各Sucアナログ二糖が終濃度30mMになるように調整したGlucose free MRS液体培地にてこれらの菌を培養し,培養時間ごとにおける「菌の増...

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Veröffentlicht in:Ōyō tōshitsu kagaku 2020-08, Vol.10 (3), p.175-179
Hauptverfasser: 保坂, 浩貴, 西尾, 俊幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:我々は,糖転移型β-フルクトフラノシダーゼを利用し,スクロース(Suc)のグルコース残基がグルコサミン,N-アセチルグルコサミン(SucNAc),グルクロン酸,あるいはグルクロン酸アミドに置き換わったスクロサミン,N-アセチルスクロサミン,スクロン酸,およびスクロン酸アミドの酵素合成に成功している。そこで,これら新規Sucアナログ二糖のプレバイオティクス機能の評価の一環として,ヒト腸内由来の各種ビフィズス菌と乳酸菌による本二糖の資化性試験を行った。各Sucアナログ二糖が終濃度30mMになるように調整したGlucose free MRS液体培地にてこれらの菌を培養し,培養時間ごとにおける「菌の増殖」,「本二糖の残存率」,および「低級脂肪酸の生成」の様子を調べた。その結果,Bifidobacterium属とLactobacillus属の細菌共に,全般的に各Sucアナログ二糖に対する資化性はSucに対する資化性と比較して低かった。しかし,一部のBifidobacterium属細菌においては,資化開始時間は遅いものの,特定のSucアナログ二糖を資化して良く増殖するものや,全てのSucアナログ二糖を良く資化して増殖するものが確認された。これらの細菌のうち,SucNAcを特異的に資化して増殖したBifidobacterium pseudocatenulatumについて,細胞内のSucNAc加水分解酵素の探索・精製・同定を行った。その結果,本菌のSucNAc分解に関わる酵素はGH family 32のβ-フルクトフラノシダーゼであることを明らかにした。
ISSN:2185-6427