日本新記録の愛媛県産エリカドコイタダニ属の2 種 (汎ササラダニ目:ササラダニ亜目:エリカドコイタダニ科)

愛媛県旧小田町(現内子町)広瀬神社の境内にあるイチイガシの樹幹の粗皮および根元の腐植からササラダニ亜目エリカドコイタダニ科エリカドコイタダニ属のオダフクロコイタダニ(新称)Hemileius (H.) thujae Choi & Cho, 1995とコブシワコイタダニ(新称) H. (Tuberemaeus) sculpturatus (Mahunka, 1987) の 2 種が発見された.愛媛県産オダフクロコイタダニは,原記載の韓国産と比較して体が小さい(体長:378–395 vs. 416–448 μm)ものの本種と同定された.オダフクロコイタダニは,近縁のイマムラフクロコイタダニ...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Edaphologia 2020, Vol.107, pp.9-13
1. Verfasser: 久保田, 直
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:愛媛県旧小田町(現内子町)広瀬神社の境内にあるイチイガシの樹幹の粗皮および根元の腐植からササラダニ亜目エリカドコイタダニ科エリカドコイタダニ属のオダフクロコイタダニ(新称)Hemileius (H.) thujae Choi & Cho, 1995とコブシワコイタダニ(新称) H. (Tuberemaeus) sculpturatus (Mahunka, 1987) の 2 種が発見された.愛媛県産オダフクロコイタダニは,原記載の韓国産と比較して体が小さい(体長:378–395 vs. 416–448 μm)ものの本種と同定された.オダフクロコイタダニは,近縁のイマムラフクロコイタダニ H. (H.) clavatus Aoki, 1992 から以下の点で区別される:1)相対的に体が小さい(vs. かなり大きい),2)桁間毛の先端が尖っていない(vs. 尖っている),3)背孔 S1 が 1 つ(vs. 2 つに分かれている). 愛媛県産のコブシワコイタダニは,原記載のベトナム産と比較して背毛が短いものの,1)桁毛と桁間毛が短く,太く,先端で強くケバ立つ,2)胴感毛が強く膨らむ,3)後体部の前方には横向きのしわがあり,その後方は縦向きのしわでびっしりと被われる,4)体長が原記載と同程度などの特徴から本種と同定された.本種は,桁毛と桁間毛が短く,太く,先端で強くケバ立つことで,近縁の H. (T.) lineatus (Balogh, 1970) から明確に区別される.アラメコイタダニ(新称) Hemileius (T.) singularis (Sellnick,1930) を含めた日本産エリカドコイタダニ科Hemileiidae7 種の検索表を付した.
ISSN:0389-1445
2189-8499
DOI:10.20695/edaphologia.107.0_9