食品中の不凍水がマイクロ波解凍に及ぼす影響について
食品中の不凍水がマイクロ波解凍に及ぼす影響についてモデル食品を用いて検討した。水分含量の異なる米粉試料を用いることによって,食品中の不凍水もマイクロ波加熱されることがわかった。次に,濃度を10%,20%,30%と変化させたグルコース溶液およびデキストラン溶液を用いた。これら試料を未凍結状態でマイクロ波加熱した場合,いずれの試料においても,加熱速度にそれほど大きな差はみられなかった。これは,溶液内の自由水および不凍水がマイクロ波を大きく吸収し圧倒的な発熱体となることが原因と考察した。一方,これら溶液試料を凍結させた場合,マイクロ波加熱速度は大きく異なっていた。これは,試料間で凍結率が大きく異なる...
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Veröffentlicht in: | Food preservation science 2020, Vol.46(2), pp.51-55 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 食品中の不凍水がマイクロ波解凍に及ぼす影響についてモデル食品を用いて検討した。水分含量の異なる米粉試料を用いることによって,食品中の不凍水もマイクロ波加熱されることがわかった。次に,濃度を10%,20%,30%と変化させたグルコース溶液およびデキストラン溶液を用いた。これら試料を未凍結状態でマイクロ波加熱した場合,いずれの試料においても,加熱速度にそれほど大きな差はみられなかった。これは,溶液内の自由水および不凍水がマイクロ波を大きく吸収し圧倒的な発熱体となることが原因と考察した。一方,これら溶液試料を凍結させた場合,マイクロ波加熱速度は大きく異なっていた。これは,試料間で凍結率が大きく異なることが原因と推察された。そこで,凍結率の温度依存性を求め,これより試料ごとの相対加熱初速度を計算した結果,試料間の加熱速度の差を理論的に説明することができた。以上の本研究の成果から凍結食品中の不凍水がマイクロ波解凍加熱において重要な役割を果たすことが示され,今後,冷凍食品のマイクロ波解凍加熱研究においては欠くことのできない知見が得られた。 |
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ISSN: | 1344-1213 2186-1277 |
DOI: | 10.5891/jafps.46.51 |