豪雨時の水田地域における農業用排水路の水位変化と溢水

水田の洪水防止機能は多面的機能の一つとして評価されている。今後は,想定内の豪雨を安全に排水するだけでなく,想定を超える豪雨への対応がレジリエンスの観点から重要になる。本報では,福岡県朝倉市の水田地域内の用排水路において,九州北部豪雨と平成30年7月豪雨の際に観測された水位連続記録をもとに,水田地域内で発生した雨水貯留と溢水の状況を分析した。その結果,豪雨時には水路内の排水が水田に流入することで雨水貯留機能が発揮されていること,また,後方集中型の豪雨では降雨ピーク前に水田空き容量がなくなるため,ピーク時の雨水貯留機能が発揮されにくいことが示された。これらの結果をもとに,水田地域内での今後の豪雨対...

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Veröffentlicht in:水土の知 : 農業農村工学会誌 : journal of the Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering 2019, Vol.87(6), pp.457-460,a1
Hauptverfasser: 谷口, 智之, 今田, 舜介, 村井, 隆人, 凌, 祥之
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:水田の洪水防止機能は多面的機能の一つとして評価されている。今後は,想定内の豪雨を安全に排水するだけでなく,想定を超える豪雨への対応がレジリエンスの観点から重要になる。本報では,福岡県朝倉市の水田地域内の用排水路において,九州北部豪雨と平成30年7月豪雨の際に観測された水位連続記録をもとに,水田地域内で発生した雨水貯留と溢水の状況を分析した。その結果,豪雨時には水路内の排水が水田に流入することで雨水貯留機能が発揮されていること,また,後方集中型の豪雨では降雨ピーク前に水田空き容量がなくなるため,ピーク時の雨水貯留機能が発揮されにくいことが示された。これらの結果をもとに,水田地域内での今後の豪雨対策について検討した。
ISSN:1882-2770
1884-7196
DOI:10.11408/jjsidre.87.6_457