子豚の小腸及び大腸パラフィン包埋切片を用いたTritrichomonas foetus の遺伝子学的同定及び粘膜固有層への侵入の特徴

鹿児島県内の一養豚農場で2019年2月に40日齢の離乳豚が水様性下痢を呈し,死亡豚が増加した.下痢を呈した2頭において,病理組織学的に回腸,盲腸及び結腸の陰窩腔にトリコモナスの濃厚寄生が観察された.そのうち1頭では,多数のトリコモナスの陰窩上皮及び粘膜固有層への侵入が認められた.小腸及び大腸病変部のパラフィン包埋切片を用いたPCR検査でTritrichomonas foetus が同定された.超微形態学的検査で,3本の前鞭毛と1本の後鞭毛が観察された.Caspase-3免疫染色及びTUNEL法で,陰窩上皮のアポトーシス陽性細胞の増加が観察された.細菌学的検査でEscherichia coli...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2020/08/20, Vol.73(8), pp.449-456
Hauptverfasser: 猜都, 勇介, 北原, 尚英, 三角, 和華子, 伊藤, 弘貴, 松林, 誠, 笹井, 和美, 芝原, 友幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:鹿児島県内の一養豚農場で2019年2月に40日齢の離乳豚が水様性下痢を呈し,死亡豚が増加した.下痢を呈した2頭において,病理組織学的に回腸,盲腸及び結腸の陰窩腔にトリコモナスの濃厚寄生が観察された.そのうち1頭では,多数のトリコモナスの陰窩上皮及び粘膜固有層への侵入が認められた.小腸及び大腸病変部のパラフィン包埋切片を用いたPCR検査でTritrichomonas foetus が同定された.超微形態学的検査で,3本の前鞭毛と1本の後鞭毛が観察された.Caspase-3免疫染色及びTUNEL法で,陰窩上皮のアポトーシス陽性細胞の増加が観察された.細菌学的検査でEscherichia coli が分離された.病理組織学的検査と遺伝子学的検査の結果より,T. foetus の豚に対する侵襲性及び下痢への関与が示唆された.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.73.449