基幹水利施設の持続的な更新のための新たな制度的枠組み

貿易自由化に伴う市場の不確実性の増加や人口減少に伴う需要の低下などの農業農村を巡る環境変化に伴い,基幹的水利施設に関する長期的な投資判断を土地改良法3条資格者が適切に行えるという前提条件が大きく変化することとなった。たとえば,土地所有者が農地としての土地に大きな関心を寄せない場合,基幹的水利施設の保全を望まないケースもあろう。このことは,更新事業に対する同意取得を困難にし,それに対して農家負担金の軽減で対応してきた。本報では,農家負担金のこれ以上の軽減対策は効率性,公平性に大きな課題を抱えており,むしろ更新事業に対して同意取得を必要としない制度に転換したうえで,更新事業費に係る減価償却費を「料...

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Veröffentlicht in:Suido no chi 2017, Vol.85(9), pp.837-841,a2
Hauptverfasser: 荘林, 幹太郎, 岡島, 正明
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:貿易自由化に伴う市場の不確実性の増加や人口減少に伴う需要の低下などの農業農村を巡る環境変化に伴い,基幹的水利施設に関する長期的な投資判断を土地改良法3条資格者が適切に行えるという前提条件が大きく変化することとなった。たとえば,土地所有者が農地としての土地に大きな関心を寄せない場合,基幹的水利施設の保全を望まないケースもあろう。このことは,更新事業に対する同意取得を困難にし,それに対して農家負担金の軽減で対応してきた。本報では,農家負担金のこれ以上の軽減対策は効率性,公平性に大きな課題を抱えており,むしろ更新事業に対して同意取得を必要としない制度に転換したうえで,更新事業費に係る減価償却費を「料金」として耕作者から徴収すべきとする提案を行ったものである。
ISSN:1882-2770
1884-7196
DOI:10.11408/jjsidre.85.9_837