農業用排水路による津波遡上エネルギーの減勢効果と浸水への影響について

大規模な津波浸水被害をもたらした東北地方太平洋沖地震では,海岸線と並行する道路盛土や堀が津波遡上エネルギーを減勢する効果があったと考えられている.このため,沿岸部農業地域の減災対策の一つとして,農業排水路を活用した津波の減勢が期待されてきているが,排水路規模による効果発現の程度は明らかとなっていない.本研究では,サイズの異なる排水路を設置した水理模型実験を行い,津波の減勢効果を検証した.その結果,減勢効果は排水路の深さよりも,幅に影響を受けること,減勢効果が認められる排水路では,水路が滞水している場合でも効果は低下するものの減勢効果が認められることを明らかにした.また,減勢効果が認められる排水...

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Veröffentlicht in:Nōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū 2019, Vol.87(1), pp.I_83-I_90
Hauptverfasser: 関島, 建志, 桐, 博英, 安瀬地, 一作, 木村, 延明, 向後, 雄二
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:大規模な津波浸水被害をもたらした東北地方太平洋沖地震では,海岸線と並行する道路盛土や堀が津波遡上エネルギーを減勢する効果があったと考えられている.このため,沿岸部農業地域の減災対策の一つとして,農業排水路を活用した津波の減勢が期待されてきているが,排水路規模による効果発現の程度は明らかとなっていない.本研究では,サイズの異なる排水路を設置した水理模型実験を行い,津波の減勢効果を検証した.その結果,減勢効果は排水路の深さよりも,幅に影響を受けること,減勢効果が認められる排水路では,水路が滞水している場合でも効果は低下するものの減勢効果が認められることを明らかにした.また,減勢効果が認められる排水路では,浸水の到達に差が生じることが明らかとなった.
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.87.I_83