ジビエブームを微生物学的見地から考える

「はじめに」ジビエ(Gibier)はフランス語で, 狩猟などで得る自然で生活する野生鳥獣の食肉をあらわす. 英語ではWild game meatや, 単にGame meatと言う. 欧米では, 狩猟を趣味とする人も多く, 狩猟後のジビエを喫食することは特別なことではない. さらに, 欧州やロシアの貴族は, 自分の領地で狩猟したジビエ料理を友人に振る舞う集いを催す等, ジビエは高級食材として重宝されることもある. 日本は, 飛鳥時代からの仏教普及の影響で, イノシシやシカ等の野生動物を食する習慣は, 欧米と比べて少なかった. 家畜である牛は主に「車を引く力や畑などを耕す力」(使役)として飼育され...

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Veröffentlicht in:Shokuhin eiseigaku zasshi 2020/06/25, Vol.61(3), pp.77-85
1. Verfasser: 森田, 幸雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」ジビエ(Gibier)はフランス語で, 狩猟などで得る自然で生活する野生鳥獣の食肉をあらわす. 英語ではWild game meatや, 単にGame meatと言う. 欧米では, 狩猟を趣味とする人も多く, 狩猟後のジビエを喫食することは特別なことではない. さらに, 欧州やロシアの貴族は, 自分の領地で狩猟したジビエ料理を友人に振る舞う集いを催す等, ジビエは高級食材として重宝されることもある. 日本は, 飛鳥時代からの仏教普及の影響で, イノシシやシカ等の野生動物を食する習慣は, 欧米と比べて少なかった. 家畜である牛は主に「車を引く力や畑などを耕す力」(使役)として飼育されていた. さらに, 海, 山, 川やそこに生息する野生動物も含め, それらには神が宿っている等, 多くの日本人は自然崇拝の精神を保有していた. 伝承として, 当時の天皇やその地域に宿る神様から野生動物の狩猟の許可を賜った者たち(「またぎ」と呼ばれる集団)がいて, その者たちは野生動物を狩猟し, その毛皮, 肉や内臓を販売し, 収入を得ていたという.
ISSN:0015-6426
1882-1006
DOI:10.3358/shokueishi.61.77