南海トラフの巨大地震等を想定した徳島県の防災・減災対策に関する研究(1)

南海トラフ巨大地震が切迫する中で,「千年に一度」の東北地方太平洋沖地震発生を受け,徳島県では,防災・減災対策の検討に着手し,津波対策では,県独自の「津波浸水想定」や「被害想定」を実施し,国の想定と比較することで,その特徴を明らかにするとともに,南海トラフ巨大地震に伴う津波浸水や中央構造線活断層帯を震源とする直下型地震に対応する土地利用規制の在り方を示した。海岸整備では,早期の効果を発現できるよう,住民の避難時間が確保可能な暫定高さでの整備という考え方を示した。平時から発災後へとシームレスかつ迅速に都市の復興を可能とする留意点や,気象庁から発表される「南海トラフ地震に関連する情報」に対する県独自...

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Veröffentlicht in:Water Science 2020-04, Vol.64 (1), p.57-117
Hauptverfasser: 海野, 修司, 木下, 修一, 山田, 正
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:南海トラフ巨大地震が切迫する中で,「千年に一度」の東北地方太平洋沖地震発生を受け,徳島県では,防災・減災対策の検討に着手し,津波対策では,県独自の「津波浸水想定」や「被害想定」を実施し,国の想定と比較することで,その特徴を明らかにするとともに,南海トラフ巨大地震に伴う津波浸水や中央構造線活断層帯を震源とする直下型地震に対応する土地利用規制の在り方を示した。海岸整備では,早期の効果を発現できるよう,住民の避難時間が確保可能な暫定高さでの整備という考え方を示した。平時から発災後へとシームレスかつ迅速に都市の復興を可能とする留意点や,気象庁から発表される「南海トラフ地震に関連する情報」に対する県独自の避難モデルの提示を行った。本研究は,これらの徳島県独自の取組から得られた知見を通じて,「南海トラフ巨大地震」,「中央構造線活断層帯を震源とする直下型地震」のような「超低頻度巨大災害」に対する今後の直面する災害リスクへの対応をどうすべきかを含め,防災・減災対策のあり方を提言するものである。
ISSN:0039-4858