オーラルヒストリー手法を用いた農家の農村環境に対する意識の把握: 地域発の生物生息環境保全・管理の立案に貢献できる手法の開発に向けて

ショートオーラルヒストリーを用いた農家の意識調査を行った。この中で,周辺環境に対する意識を農家が自分史を語る前後で回答内容に変化があるかどうか調べた。その結果,自分史を語る前では,「周辺環境は昔と変わっていない」であったが,自分史を語った後では,「変わった」と答え,内容が変化した。これは,対象者の回答する基盤的な領域である自界が変化したことに伴う言い分(いいぶん;自界ごとで意識が異なること)が抽出されたためと考えられた。このようにオーラルヒストリーを実施することによって,農家の周辺環境に対する意識を複数の側面から効果的に引き出せた。また,これを農家に指摘すると本人にも気づきがあった。この気づき...

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Veröffentlicht in:水土の知 : 農業農村工学会誌 : journal of the Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering 2016, Vol.84(5), pp.387-390,a2
Hauptverfasser: 柿野, 亘, 佐々木, 春佳, 田代, 優秋, 落合, 博之, 長利, 洋
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ショートオーラルヒストリーを用いた農家の意識調査を行った。この中で,周辺環境に対する意識を農家が自分史を語る前後で回答内容に変化があるかどうか調べた。その結果,自分史を語る前では,「周辺環境は昔と変わっていない」であったが,自分史を語った後では,「変わった」と答え,内容が変化した。これは,対象者の回答する基盤的な領域である自界が変化したことに伴う言い分(いいぶん;自界ごとで意識が異なること)が抽出されたためと考えられた。このようにオーラルヒストリーを実施することによって,農家の周辺環境に対する意識を複数の側面から効果的に引き出せた。また,これを農家に指摘すると本人にも気づきがあった。この気づきは,現実性,実現性ある環境配慮計画に貢献できるのではないか。
ISSN:1882-2770
1884-7196
DOI:10.11408/jjsidre.84.5_387