アユのEdwardsiella ictaluri感染症における、発病魚および保菌魚の臓器別原因菌分布状況

1. アユのE. ictaluri感染症における的確な診断および保菌検査方法における最適な検査対象臓器を明らかにする目的で、自然発病魚、実験感染魚および野生魚における臓器別原因菌分布状況を検討した。2. 自然発病魚および実験感染魚の臓器別原因菌分布状況から、アユ体内に侵入したE. ictaluriは、まず脾臓で旺盛に増殖し、その後に腎臓が続く。ほどなく腎臓が脾臓よりも菌濃度が高くなり、その状態がしばらく続くものと考えられたため、病魚の検査部位は腎臓が最適と考えられた。3. 野生魚5尾の結果から、保菌臓器としての脾臓の重要性が示唆された。4. 240尾の野生アユにおける、腎臓および脾臓からのE....

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Veröffentlicht in:岐阜県水産研究所研究報告 = Report of Gifu Prefectural Research Institute for Fisheries and Aquatic Environments 2020-03 (65), p.11-16
Hauptverfasser: 中居, 裕, 辻, 寛人
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1. アユのE. ictaluri感染症における的確な診断および保菌検査方法における最適な検査対象臓器を明らかにする目的で、自然発病魚、実験感染魚および野生魚における臓器別原因菌分布状況を検討した。2. 自然発病魚および実験感染魚の臓器別原因菌分布状況から、アユ体内に侵入したE. ictaluriは、まず脾臓で旺盛に増殖し、その後に腎臓が続く。ほどなく腎臓が脾臓よりも菌濃度が高くなり、その状態がしばらく続くものと考えられたため、病魚の検査部位は腎臓が最適と考えられた。3. 野生魚5尾の結果から、保菌臓器としての脾臓の重要性が示唆された。4. 240尾の野生アユにおける、腎臓および脾臓からのE. ictaluriの分離状況から、腎臓のみ、脾臓のみ、腎臓と脾臓の両方から分離される割合がそれぞれ一定以上であったことから、検査精度向上のためには腎臓と脾臓の両方から分離する必要があるものと考えられた。
ISSN:2189-3438