海岸林再生に向けた広葉樹の育苗技術に関する研究

東日本大震災の津波で被災した海岸防災林の再生の一助として,人工盛土の植生基盤造成地に植栽する広葉樹苗木の効率的育苗手法の開発を目的に,8種の広葉樹を対象として,マルチキャビティコンテナ,ビニールポット,苗畑における育苗を実施し,発芽率と成長量を調査した。発芽率は,苗畑よりもマルチキャビティコンテナ及びビニールポットで高かった。また,マルチキャビティコンテナにおける苗高成長は,樹種により成長パターンが異なることが明らかになった。マルチキャビティコンテナによる育苗期間1年の成長量について,ヤマザクラとケヤキについては本研究の条件によれば,裸苗及びポット苗を含む育苗における既往の報告と比較して,同等...

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Veröffentlicht in:林業技術総合センター研究報告 2018-12 (27), p.9-24
Hauptverfasser: 河部, 恭子, 清川, 雄司, 今野, 幸則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:東日本大震災の津波で被災した海岸防災林の再生の一助として,人工盛土の植生基盤造成地に植栽する広葉樹苗木の効率的育苗手法の開発を目的に,8種の広葉樹を対象として,マルチキャビティコンテナ,ビニールポット,苗畑における育苗を実施し,発芽率と成長量を調査した。発芽率は,苗畑よりもマルチキャビティコンテナ及びビニールポットで高かった。また,マルチキャビティコンテナにおける苗高成長は,樹種により成長パターンが異なることが明らかになった。マルチキャビティコンテナによる育苗期間1年の成長量について,ヤマザクラとケヤキについては本研究の条件によれば,裸苗及びポット苗を含む育苗における既往の報告と比較して,同等またはそれ以上の苗が得られた。一方,クヌギ,コナラ,カシワについては本研究の方法では,既往の報告と比較して,同等またはそれ以下の成長にとどまったことから,最適な施肥条件,播種間隔,育苗期間等について更なる検討が必要と考えられた。
ISSN:2185-9167