多糖資源活用のための生物変換研究

地球上で最も大量に生物生産される多糖資源キチン・キトサン,セルロース及びキシランは,陸圏及び水圏で巨大な資源循環フローを形成する。気候変動の影響が一段と深刻になり,化石資源への依存度低下に対する機運が高まる中で,これらの資源の高度利用による持続的社会の構築に大きな期待が集まる。その一方で,これらの資源は,農林水産業・食品製造業の現場における副産物として生産されることから,一次産業を基軸とする地域産業の活性化のため,高付加価値化技術の開発が強く求められてきた。このような中で,著者らは,キチンのN-アセチル基を効率的かつ高い位置選択性をもって脱離する不完全菌由来のキチン脱アセチル化酵素を研究対象と...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Ōyō tōshitsu kagaku 2020-02, Vol.10 (1), p.13-23
1. Verfasser: 徳安, 健
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:地球上で最も大量に生物生産される多糖資源キチン・キトサン,セルロース及びキシランは,陸圏及び水圏で巨大な資源循環フローを形成する。気候変動の影響が一段と深刻になり,化石資源への依存度低下に対する機運が高まる中で,これらの資源の高度利用による持続的社会の構築に大きな期待が集まる。その一方で,これらの資源は,農林水産業・食品製造業の現場における副産物として生産されることから,一次産業を基軸とする地域産業の活性化のため,高付加価値化技術の開発が強く求められてきた。このような中で,著者らは,キチンのN-アセチル基を効率的かつ高い位置選択性をもって脱離する不完全菌由来のキチン脱アセチル化酵素を研究対象として,その触媒特性を解明するとともに,本酵素を用いたキトサンオリゴ糖,部分脱アセチル化キチンオリゴ糖,部分アセチル化高分子キトサンなどの製造技術を開発した。また,セルロース系資源である稲わら,サトウキビ,ソルガム,エリアンサス,ススキ等の国産草本系繊維質中の多糖を糖化し,燃料用エタノールを製造するため,原料特性に応じた複数の簡素なバイオプロセスを開発した。
ISSN:2185-6427