ダリア(Dahlia variabilis)‘ネッショウ’では舌状花での退色発生の原因となる低温感受性が異なる個体が混在する

‘ネッショウ’は赤色の頭花を形成する切り花生産上重要な品種である。しかし,‘ネッショウ’の舌状花では秋から冬にかけて高頻度に退色が発生し,生産効率の低下を招いている。2012年2月に完全赤色花を形成した個体を低温感受性が比較的低い(Relatively low sensitive; RL)個体として3個体,2012年6月に舌状花の退色を起こした個体を低温感受性が比較的高い(Relatively high sensitive; RH)個体として2個体得た。RL個体とRH個体から挿し芽増殖したRLおよびRH系統の間で舌状花での退色の発生程度(Color fading index; CFI)を比較し...

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Veröffentlicht in:植物環境工学 2020-03, Vol.32 (1), p.29-36
Hauptverfasser: 岡田, 啓雅, 田内, 康裕, 唐澤, ゆき乃, 喜久村, 徳勇, 北村, 嘉邦
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:‘ネッショウ’は赤色の頭花を形成する切り花生産上重要な品種である。しかし,‘ネッショウ’の舌状花では秋から冬にかけて高頻度に退色が発生し,生産効率の低下を招いている。2012年2月に完全赤色花を形成した個体を低温感受性が比較的低い(Relatively low sensitive; RL)個体として3個体,2012年6月に舌状花の退色を起こした個体を低温感受性が比較的高い(Relatively high sensitive; RH)個体として2個体得た。RL個体とRH個体から挿し芽増殖したRLおよびRH系統の間で舌状花での退色の発生程度(Color fading index; CFI)を比較した。その結果,2012年12月中旬から2013年2月中旬の最低気温10℃を下回る条件下で,RH2系統はRL2系統と比較して有意に高いCFIを示した。また,RL2系統の中には,RH個体と同程度の低温感受性を持つ個体が少数ながらも出現した。以上から,RH個体の除去が‘ネッショウ’で発生する退色の抑制を考える上で重要であることが示された。また,RL個体を挿し芽増殖した個体を扱う場合も,増殖個体の中に一定の割合で出現するRH個体を早期に除去することが重要である。
ISSN:1880-2028