湿地造成は水田地帯の魚類個体群の保全に貢献できるか

農業農村整備では生態系配慮対策の一つとして,湿地・池の造成が行われてきたが,既往研究では造成湿地・池の魚類の利用実態の解明にとどまっており,周辺水域の魚類個体群への効果は明らかではない。そこで本研究では,水田地帯に造成した湿地が接続する小河川の魚類個体群に与える効果の把握を試みた。湿地造成後,小河川ではホトケドジョウが採捕されるようになったことから,湿地を繁殖・成育の場とした後,小河川へ移出することで,密度増加や個体群形成の効果があったと考えられた。また冬に小河川での採捕個体数に占める湿地から移出した標識個体の割合が高くなったことから,湿地から冬にも移出し続けることで,小河川の個体群の維持に寄...

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Veröffentlicht in:水土の知 : 農業農村工学会誌 : journal of the Japanese Society of Irrigation, Drainage and Rural Engineering 2015, Vol.83(3), pp.187-190,a1
Hauptverfasser: 西田, 一也, 大平, 充, 千賀, 裕太郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:農業農村整備では生態系配慮対策の一つとして,湿地・池の造成が行われてきたが,既往研究では造成湿地・池の魚類の利用実態の解明にとどまっており,周辺水域の魚類個体群への効果は明らかではない。そこで本研究では,水田地帯に造成した湿地が接続する小河川の魚類個体群に与える効果の把握を試みた。湿地造成後,小河川ではホトケドジョウが採捕されるようになったことから,湿地を繁殖・成育の場とした後,小河川へ移出することで,密度増加や個体群形成の効果があったと考えられた。また冬に小河川での採捕個体数に占める湿地から移出した標識個体の割合が高くなったことから,湿地から冬にも移出し続けることで,小河川の個体群の維持に寄与した可能性が示唆された。
ISSN:1882-2770
1884-7196
DOI:10.11408/jjsidre.83.3_187