徳島県内のナシ萎縮病常発圃場におけるチャアナタケモドキ近縁種の子実体発生状況,樹幹部感染状況及びナシ萎縮病発病関与の可能性

徳島県内のチャアナタケモドキを病原菌とするナシ萎縮病が常発しているナシ園では,本病原菌を含む多数の木材腐朽菌子実体が確認されているが,菌種や本病発病との関連性は不明である。そこで,本病発病樹率が平均52%である現地ナシ3圃場において,木材腐朽菌の発生樹割合及び菌種について調査した結果,発生樹割合は50%であり,菌種の内訳は,ウズラタケ49%,チャアナタケ,Phellinus sp.が20%,16%,チャアナタケモドキが3%であった。ウズラタケ以外はチャアナタケモドキ近縁種子実体であり,それらが多く確認され,本病原菌子実体の発生割合は大幅に少ないことから,近縁種も本病の発病に関与する可能性が疑わ...

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Veröffentlicht in:徳島県立農林水産総合技術支援センター研究報告 = Bulletin of Tokushima Agriculture, Forestry and Fisheries Technology Support Center Forestry and Fisheries Technology Support Center, 2019-12 (6), p.27-36
Hauptverfasser: 今井, 健司, 犬伏, 要輔
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:徳島県内のチャアナタケモドキを病原菌とするナシ萎縮病が常発しているナシ園では,本病原菌を含む多数の木材腐朽菌子実体が確認されているが,菌種や本病発病との関連性は不明である。そこで,本病発病樹率が平均52%である現地ナシ3圃場において,木材腐朽菌の発生樹割合及び菌種について調査した結果,発生樹割合は50%であり,菌種の内訳は,ウズラタケ49%,チャアナタケ,Phellinus sp.が20%,16%,チャアナタケモドキが3%であった。ウズラタケ以外はチャアナタケモドキ近縁種子実体であり,それらが多く確認され,本病原菌子実体の発生割合は大幅に少ないことから,近縁種も本病の発病に関与する可能性が疑われた。そこで発病樹率に関する疫学的調査やポット苗を用いた病原性確認試験によって本病との関連性を調べたが,近縁種が発病に関与する可能性は示されなかった。また,樹幹主枝分岐部より木材腐朽菌を分離して求めた樹体感染率からベイズ推定による事後分布を求めた結果,近縁種は発病に関与しない可能性が示された。以上のことから,本調査で確認された近縁種は本病の発病に関与しないことが推察された。
ISSN:2189-1176