日本の気候変動対策と生態系保全策との間のトレードオフ・シナジーに関する包括的分析

一般的に,ある目的で導入された政策が,他の目的を目指した政策と矛盾を起こす(トレードオフ)状態を避けつつ,両目的を同時達成する(シナジー)政策を優先することが望ましい。本研究では,日本の気候変動政策と生態系保全策との間の関係性について,「地球温暖化対策計画」「気候変動の影響への適応計画」「生物多様性国家戦略2012-2020」の項目を用いて網羅的に調査した。その結果,緩和策と生態系保全策との間では再生可能エネルギー分野および水田関連,適応策と生態系保全策との間では自然災害・沿岸域の分野でトレードオフが生じる可能性を指摘した。他方,シナジーが示された分野もあり,今後,これらの関連性を意識した政策...

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Veröffentlicht in:Kankyō jōhō kagaku 2019-12, Vol.48 (4), p.74-79
1. Verfasser: 亀山, 康子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:一般的に,ある目的で導入された政策が,他の目的を目指した政策と矛盾を起こす(トレードオフ)状態を避けつつ,両目的を同時達成する(シナジー)政策を優先することが望ましい。本研究では,日本の気候変動政策と生態系保全策との間の関係性について,「地球温暖化対策計画」「気候変動の影響への適応計画」「生物多様性国家戦略2012-2020」の項目を用いて網羅的に調査した。その結果,緩和策と生態系保全策との間では再生可能エネルギー分野および水田関連,適応策と生態系保全策との間では自然災害・沿岸域の分野でトレードオフが生じる可能性を指摘した。他方,シナジーが示された分野もあり,今後,これらの関連性を意識した政策導入が求められる。
ISSN:0389-6633