パイプライン用水路整備による夏季灌漑水温の上昇抑制効果

近年,夏季の高温による玄米品質の低下(高温登熟障害)が問題となっている。本研究では,パイプライン用水路は低温かつ温度変化の少ない用水を圃場に供給できる機能を有し,品質向上に寄与することを検証した。パイプライン用水路の水温は,起点となる河川取水口とほとんど同じで標準偏差も小さいことが示された。一方,河川取水口やパイプライン用水路と比較して,開水路の水温は総じて高く,標準偏差も大きくなった。玄米外観品質に及ぼす影響は,パイプライン用水路が未整備の集落では気温の上昇により1等米比率が低下するのに対し,整備済みの集落では気温によらず1等米比率が高くなり,温度の低い用水が供給されたことが要因と考えられる...

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Veröffentlicht in:Suido no chi 2014, Vol.82(8), pp.625-628,a1
Hauptverfasser: 坂田, 賢, 友正, 達美, 吉村, 亜希子, 大塚, 直輝, 倉田, 進
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,夏季の高温による玄米品質の低下(高温登熟障害)が問題となっている。本研究では,パイプライン用水路は低温かつ温度変化の少ない用水を圃場に供給できる機能を有し,品質向上に寄与することを検証した。パイプライン用水路の水温は,起点となる河川取水口とほとんど同じで標準偏差も小さいことが示された。一方,河川取水口やパイプライン用水路と比較して,開水路の水温は総じて高く,標準偏差も大きくなった。玄米外観品質に及ぼす影響は,パイプライン用水路が未整備の集落では気温の上昇により1等米比率が低下するのに対し,整備済みの集落では気温によらず1等米比率が高くなり,温度の低い用水が供給されたことが要因と考えられる。
ISSN:1882-2770
1884-7196
DOI:10.11408/jjsidre.82.8_625