慢性型豚丹毒発症豚から分離された豚丹毒菌の性状解析

豚丹毒は豚丹毒菌による豚の感染症で,慢性型の発症に生ワクチンの関与が疑われている.慢性型(関節炎型及び心内膜炎型)あるいは亜急性型(蕁麻疹型)豚丹毒を発症した豚から分離された豚丹毒菌46株を解析したところ,32株がワクチン株,14株が野外株で,ワクチン株32株中5株は蕁麻疹型及び心内膜炎型から検出された.ワクチン株識別にはSNP検出PCRを用いたが,この方法は手技も簡便で判定も容易であった.また,野外株14株について,病原因子とされる菌体表層抗原SpaA遺伝子の高度可変領域432bpを解析した結果,国内で流行しているMet-203株が2株検出された.さらに,他県での分離株と共通する一塩基多型を...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2019/12/20, Vol.72(12), pp.745-749
Hauptverfasser: 大島, 公子, 春田, 和也, 菊地, 美貴子, 高橋, 理香子, 山口, 健一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:豚丹毒は豚丹毒菌による豚の感染症で,慢性型の発症に生ワクチンの関与が疑われている.慢性型(関節炎型及び心内膜炎型)あるいは亜急性型(蕁麻疹型)豚丹毒を発症した豚から分離された豚丹毒菌46株を解析したところ,32株がワクチン株,14株が野外株で,ワクチン株32株中5株は蕁麻疹型及び心内膜炎型から検出された.ワクチン株識別にはSNP検出PCRを用いたが,この方法は手技も簡便で判定も容易であった.また,野外株14株について,病原因子とされる菌体表層抗原SpaA遺伝子の高度可変領域432bpを解析した結果,国内で流行しているMet-203株が2株検出された.さらに,他県での分離株と共通する一塩基多型を持つ株が9株検出された.当該領域の遺伝子変異解析は,分離株間の関連性を調査するために重要である.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.72.745