北海道胆振管内における樽前山と有珠山の火山灰土と粘土鉱物の特性
胆振管内の火山性土の粘土鉱物を調べた。胆振管内には樽前山と恵庭岳の火山灰土と石英安山岩を主体とする有珠山の火山灰土に大きく分けられる。1)噴火後400年未満のTa-aとTa-bのアロフェン含有率の平均値は0.6%であり,Ta-cとTa-dの平均値は14%,En-aの平均値は12%であった。一方,噴火後400年未満のUs-a,Us-bの平均値は1.3%で,Ta-a,Ta-bの平均値のほぼ2倍の値を示した。2)アロフェン質黒ボク土の基準はAlp/Aloが0.5以下とされている。胆振管内の火山灰土でこれを超える火山灰土はTa-aとTa-bのみであった。Us-a,Us-bのアロフェンの含有率の平均値が...
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Veröffentlicht in: | 農業および園芸 = Agriculture and horticulture 2019-12, Vol.94 (12), p.1068-1078 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 胆振管内の火山性土の粘土鉱物を調べた。胆振管内には樽前山と恵庭岳の火山灰土と石英安山岩を主体とする有珠山の火山灰土に大きく分けられる。1)噴火後400年未満のTa-aとTa-bのアロフェン含有率の平均値は0.6%であり,Ta-cとTa-dの平均値は14%,En-aの平均値は12%であった。一方,噴火後400年未満のUs-a,Us-bの平均値は1.3%で,Ta-a,Ta-bの平均値のほぼ2倍の値を示した。2)アロフェン質黒ボク土の基準はAlp/Aloが0.5以下とされている。胆振管内の火山灰土でこれを超える火山灰土はTa-aとTa-bのみであった。Us-a,Us-bのアロフェンの含有率の平均値が1.3%と低いにも係わらず,Alp/Aloは0.47±0.28となりアロフェン質黒ボク土となる。アロフェンの含有率はジャガイモそうか病の抑制される値であり,この土壌病害の多発するアロフェン質黒ボク土ではない。3)樽前山と恵庭岳の火山灰土にはアロフェン以外の粘土鉱物はほとんど検出されなかったが,有珠山の火山性土には噴火後年数が短いにも係わらず,明確にスメクタイトの存在が認められた。また,そのほかにもイライト,バーミキュライト,クロライトも検出された。4)有珠山の火山灰土の大半はpH6~7の範囲に入るが,中にはpH4.8~5.9に入る試料もあり,これらの中には水溶性アルミニウムの高いものが存在する。有珠山火山灰土に含まれるスメクタイトは塩基飽和度が低下する(pHが低下する)と交換性アルミニウムが増加し強酸性となり,アロフェン質土壌と対照的性質がある。これが噴火後時間の経過したほ場で高級菜豆の生育不良と生産物の品質低下の原因と判断される。5)胆振管内の0.1N HCl-Cuの含有率は腐植含有率とは明瞭な反比例の関係に無く,腐植含有率の低いEn-aでもっとも低い値を示した。 |
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ISSN: | 0369-5247 |