小川原湖の底質環境と底生動物群集

本研究では,青森県の小川原湖における底質の全炭素(TC),全窒素(TN),全リン(TP)の分布を明らかにするとともに,底質の汚濁程度が異なる場所での底生動物群集の比較を行った.その結果,①湖底におけるTNとTPの分布は異なり,TNは水深の深い湖中部で高い一方,TPは,主要流入河川が流入する湖南部で高い値を示した.②底生動物群集の優占種の分布は湖北部・中部と湖南部で有意に異なり,湖北部・中部ではシジミが,湖南部ではイトミミズが優占していた.③湖北部・中部と湖南部では底質の粒径組成と各サイズにおけるTN含量が異なっており,その要因として,易分解性有機物の流入による底質汚濁の影響があげられた.以上か...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nōgyō Nōson Kōgakkai ronbunshū 2013/10/25, Vol.81(5), pp.453-461
Hauptverfasser: 岡田, 竜洋, 眞家, 永光, 長崎, 勝康, 柿野, 亘, 蛯名, 秀樹, 富桝, 朗充, 角, 勇悦, 嶋, 栄吉
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:本研究では,青森県の小川原湖における底質の全炭素(TC),全窒素(TN),全リン(TP)の分布を明らかにするとともに,底質の汚濁程度が異なる場所での底生動物群集の比較を行った.その結果,①湖底におけるTNとTPの分布は異なり,TNは水深の深い湖中部で高い一方,TPは,主要流入河川が流入する湖南部で高い値を示した.②底生動物群集の優占種の分布は湖北部・中部と湖南部で有意に異なり,湖北部・中部ではシジミが,湖南部ではイトミミズが優占していた.③湖北部・中部と湖南部では底質の粒径組成と各サイズにおけるTN含量が異なっており,その要因として,易分解性有機物の流入による底質汚濁の影響があげられた.以上から,小川原湖における底生動物群集は流入河川から負荷される富栄養化原因物質による底質汚濁の影響を受けていることが示唆された.
ISSN:1882-2789
1884-7242
DOI:10.11408/jsidre.81.453