多雪地域の重粘土地におけるコバノヤマハンノキ植栽木の成長に及ぼす植栽基盤整備の効果

多雪地域の重粘土地における樹木の植栽方法検討のため,北海道当別町にある「道民の森・神居尻地区」の牧野跡地において,植栽基盤整備しない区画(無処理区)と,地表を畝上げ及び耕耘の処理を行った区画(畝上げ区と耕耘区)にコバノヤマハンノキを植栽し,その後6年間の生育状況を調査した。本試験地の土壌は固相率が高く気相率が低いのに加え,難透水性の重粘土であり,地表下10~20 cmに耕盤層が認められた。畝上げ区の土壌水分(pF値)は植物の生育にとって適正な範囲に収まることが多かったが,耕耘区では飽和状態になることもあった。植栽木には,越冬期間中に主軸折れ等の雪害を受けるものが多数あった。雪害を受けた個体数は...

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Veröffentlicht in:Nihon Shinrin Gakkaishi 2019/10/01, Vol.101(5), pp.227-234
Hauptverfasser: 棚橋, 生子, 眞坂, 一彦, 佐藤, 弘和, 福地, 稔, 佐藤, 孝弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:多雪地域の重粘土地における樹木の植栽方法検討のため,北海道当別町にある「道民の森・神居尻地区」の牧野跡地において,植栽基盤整備しない区画(無処理区)と,地表を畝上げ及び耕耘の処理を行った区画(畝上げ区と耕耘区)にコバノヤマハンノキを植栽し,その後6年間の生育状況を調査した。本試験地の土壌は固相率が高く気相率が低いのに加え,難透水性の重粘土であり,地表下10~20 cmに耕盤層が認められた。畝上げ区の土壌水分(pF値)は植物の生育にとって適正な範囲に収まることが多かったが,耕耘区では飽和状態になることもあった。植栽木には,越冬期間中に主軸折れ等の雪害を受けるものが多数あった。雪害を受けた個体数は最大積雪深が大きい年ほど多く,また樹高が高くなるほど雪害を受けにくくなる傾向が認められた。また,被害個体数は畝上げ区よりも耕耘区と無処理区で多い傾向だった。3処理区で樹高成長に大きな差は認められず,直径成長に差が現れた。直径成長の差は形状比の違いとなり,雪害への感受性に反映した。以上の結果から,多雪地域の重粘土地では耕耘よりも畝上げが効果的な植栽基盤整備方法として提案できる。
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.101.227