カシ備長炭の収率および品質向上に関する研究

現在、高知県は全国一の備長炭生産地となっているが、原料であるウバメガシの資源量が減少している。持続的な備長炭の生産には今後、ウバメガシ以外のカシ類(主にアラカシ、以下「カシ類」という)の利用を増やす必要がある。しかし、カシ類を原料とした場合、収率と品質の高い炭の割合が低下することが確認されており、カシ類の利用は敬遠されている。そこで本研究では、カシ類を原料とした備長炭(以下、「カシ備長炭」という)の収率や品質を向上させるための製造方法について検討した。収率(乾重量比)は、カシ類を原料とした場合、製造方法を改良しても17%程度でウバメガシと比較すると2~3%程度低かった。品質は、ウバメガシがA区...

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Veröffentlicht in:高知県立森林技術センター研究報告 = Bulletin of Kochi Prefectural Forest Technology Center 2019-03 (42), p.26-35
Hauptverfasser: 溝口, 泰彬, 市原, 孝志, 山中, 秀直
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:現在、高知県は全国一の備長炭生産地となっているが、原料であるウバメガシの資源量が減少している。持続的な備長炭の生産には今後、ウバメガシ以外のカシ類(主にアラカシ、以下「カシ類」という)の利用を増やす必要がある。しかし、カシ類を原料とした場合、収率と品質の高い炭の割合が低下することが確認されており、カシ類の利用は敬遠されている。そこで本研究では、カシ類を原料とした備長炭(以下、「カシ備長炭」という)の収率や品質を向上させるための製造方法について検討した。収率(乾重量比)は、カシ類を原料とした場合、製造方法を改良しても17%程度でウバメガシと比較すると2~3%程度低かった。品質は、ウバメガシがA区分(高規格品)割合69.7%と最も高かった。一方、カシ類は乾燥工程初期の時間を延長してしっかり乾燥することで、「通常」の54.8%から66.7%にA区分割合が増加したが、木くべ時の原木含水率が低いとA区分割合が低下する傾向が見られた。そのため、カシ類を利用する場合は伐採後、原木の含水率が低下する前にできるだけ早く窯に入れる、あるいは、カバーをかけたり、木口を水に浸けておくなど、乾燥を抑制した含水率の高い原木を窯に入れ、その後、乾燥工程で十分に乾燥することが望ましいと考えられる。
ISSN:1348-6004