酵母混合醸造が芋焼酎の発酵と酒質に与える影響

酒質の多様化を目的とし,芋焼酎における酵母混合醸造について検討した。その結果,以下のことが明らかとなった。 (1)仕込み時に2種類の酵母を同量混合しても,1次もろみの段階で酵母比率が大きく変化していた。また,混合醸造のアルコール収量,香気成分の生成量及び酒質は,両酵母の比率に依存したものであった。 (2)各酵母の増殖速度について評価したところ,培養液中のクエン酸濃度が大きくなるに従い,酵母間の増殖速度の差が大きくなった。このことが,混合醸造における1次もろみで,添加した酵母の比率が大きく変化する要因になると示唆された。 (3)混合醸造で酵母比率を安定させるために,2次もろみから混合醸造を検討し...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Nippon Jōzō Kyōkaishi 2019, Vol.114(6), pp.377-384
Hauptverfasser: 安藤, 義則, 冨吉, 彩加, 亀澤, 浩幸, 瀬戸口, 眞治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:酒質の多様化を目的とし,芋焼酎における酵母混合醸造について検討した。その結果,以下のことが明らかとなった。 (1)仕込み時に2種類の酵母を同量混合しても,1次もろみの段階で酵母比率が大きく変化していた。また,混合醸造のアルコール収量,香気成分の生成量及び酒質は,両酵母の比率に依存したものであった。 (2)各酵母の増殖速度について評価したところ,培養液中のクエン酸濃度が大きくなるに従い,酵母間の増殖速度の差が大きくなった。このことが,混合醸造における1次もろみで,添加した酵母の比率が大きく変化する要因になると示唆された。 (3)混合醸造で酵母比率を安定させるために,2次もろみから混合醸造を検討した。その結果,2次もろみからの混合醸造は酵母比率が安定するとともに,酵母間の増殖速度に差がある場合であっても両酵母の特徴がより出やすい仕込み法として有効であることが示唆された。
ISSN:0914-7314
2186-4012
DOI:10.6013/jbrewsocjapan.114.377