異なる潅水条件下で夏季植栽したスギ挿し木コンテナ苗および裸苗の活着とその要因

乾燥条件下でのコンテナ苗の活着の優位性を検証するため,挿し木スギコンテナ苗(1年生および当年生)と当年生裸苗を8月に温室内のポットおよび屋外に植栽し,ポットには異なる潅水処理を施して,苗の樹勢低下過程を比較するとともに,1生育期終了時の苗の器官重量を比較した。毎日潅水区では全てのコンテナ苗が生残したが,裸苗は半数が枯死した。8日おき潅水区では,植栽から約3か月間で全ての裸苗が枯死したが,コンテナ苗では33~42%が生残した。無潅水区では植栽約1か月半で植栽した全ての苗が枯死した。露地植栽では,全苗種で耕耘を行った場所での樹勢が良好であり,生残率は1年生コンテナ苗,当年生コンテナ苗,裸苗の順に高...

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Veröffentlicht in:Nihon Shinrin Gakkaishi 2019/06/01, Vol.101(3), pp.122-127
Hauptverfasser: 伊藤, 哲, 新保, 優美, 平田, 令子, 溝口, 拓朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:乾燥条件下でのコンテナ苗の活着の優位性を検証するため,挿し木スギコンテナ苗(1年生および当年生)と当年生裸苗を8月に温室内のポットおよび屋外に植栽し,ポットには異なる潅水処理を施して,苗の樹勢低下過程を比較するとともに,1生育期終了時の苗の器官重量を比較した。毎日潅水区では全てのコンテナ苗が生残したが,裸苗は半数が枯死した。8日おき潅水区では,植栽から約3か月間で全ての裸苗が枯死したが,コンテナ苗では33~42%が生残した。無潅水区では植栽約1か月半で植栽した全ての苗が枯死した。露地植栽では,全苗種で耕耘を行った場所での樹勢が良好であり,生残率は1年生コンテナ苗,当年生コンテナ苗,裸苗の順に高かった。以上の結果から,乾燥が厳しい条件下でコンテナ苗が裸苗よりも有利に活着できることが実証された。生存苗は全苗種で枯死苗よりも実験終了時の根重が大きく,苗種によって閾値は異なるが,いずれの苗種も一定量の根量に達していれば枯死しにくいことが示された。また,当年生コンテナ苗は当年生裸苗より少ない根量でも生残する傾向が見られ,コンテナ苗の培地が少ない根量での生残を可能にしていることが示唆された。
ISSN:1349-8509
1882-398X
DOI:10.4005/jjfs.101.122