地域社会における参加と合意の原理的検討: 共同の動機と持続可能な共同性
本論は多様化する環境の問題について,求められる環境政策の実現可能性を地域社会における「合意形成」から検討した。現代日本の地域社会に関する議論は市民社会という価値理念を前提としたコミュニティ論となっており,そこでは市民社会におけるコミュニティがアソシエーションと接続されて論じられている。本論ではこのアソシエーションとコミュニティの関係について〈地域性に基づく共同性〉という視点から検討し,そこには「合意形成」の実現可能性の点で問題があることを整理した。この問題について地域社会における「合意形成」の3つのパターンから論じ,「合意形成」に求められる契機として〈持続可能な共同性〉と〈共同の動機〉という視...
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Veröffentlicht in: | 農村研究 2019/03/20, Vol.2019(128), pp.12-23 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 本論は多様化する環境の問題について,求められる環境政策の実現可能性を地域社会における「合意形成」から検討した。現代日本の地域社会に関する議論は市民社会という価値理念を前提としたコミュニティ論となっており,そこでは市民社会におけるコミュニティがアソシエーションと接続されて論じられている。本論ではこのアソシエーションとコミュニティの関係について〈地域性に基づく共同性〉という視点から検討し,そこには「合意形成」の実現可能性の点で問題があることを整理した。この問題について地域社会における「合意形成」の3つのパターンから論じ,「合意形成」に求められる契機として〈持続可能な共同性〉と〈共同の動機〉という視点が重要となることを指摘した。また環境政策の実践に求められる「合意形成」について共生概念と「風土的環境倫理」から検討し,「合意形成」のための〈共同の動機〉には〈経験的自発性〉が重要となることを論じた。 |
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ISSN: | 0388-8533 2436-9047 |
DOI: | 10.57277/nosonkenkyu.2019.128_12 |