食品のおいしさに関わる香気の多面的分析

様々な手法を用いて食品の香りを分析することにより,おいしさに関わる要因の解明を目的として研究を行った.食品を食べているときの香りを高い再現性で発生させる装置としてretoronasal aroma simulator(RAS)を用いて食べているときの香りを分析し,果物の果汁感,本物感を高めて味に効く香料RASAROMA®を開発した.RASを用いることにより砂糖の有無やミルク添加によるフレーバーリリースの変化率をデータ化できることを示した.香気成分の疎水性と乳脂肪分の相関性に着目して,ミルク飲料処方中の乳脂肪分の設定から香気成分ごとのリリースの抑制率を推定する手法を提唱した.おいしさの解明を目的...

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Veröffentlicht in:Japan Journal of Food Engineering 2019/03/15, Vol.20(1), pp.1-5
1. Verfasser: 大西, 正展
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:様々な手法を用いて食品の香りを分析することにより,おいしさに関わる要因の解明を目的として研究を行った.食品を食べているときの香りを高い再現性で発生させる装置としてretoronasal aroma simulator(RAS)を用いて食べているときの香りを分析し,果物の果汁感,本物感を高めて味に効く香料RASAROMA®を開発した.RASを用いることにより砂糖の有無やミルク添加によるフレーバーリリースの変化率をデータ化できることを示した.香気成分の疎水性と乳脂肪分の相関性に着目して,ミルク飲料処方中の乳脂肪分の設定から香気成分ごとのリリースの抑制率を推定する手法を提唱した.おいしさの解明を目的として行った一連の香りの研究を通じて,ヒトが感じる食品の香りは咀嚼行為や食品の基材,食べてからの時間によって変化することを明らかにし,おいしさの要因が複雑であることを再認識するに至った.
ISSN:1345-7942
1884-5924
DOI:10.11301/jsfe.19544