有機酸と脂質の含有量および脂質の酸価はスペシャルティコーヒーの品質に影響を及ぼす

市場で流通している生産地の異なるスペシャルティコーヒーとコマーシャルコーヒーのpHおよび滴定酸度,有機酸,総脂質量および酸価を測定し,それらの差異がコーヒーの風味に与える影響を官能評価と関連づけて検証した。(1) 各生産地のSPは4.75から5.00,COは4.79から5.05とSPのpHが有意に低く,また滴定酸度は高い傾向がみられ,それらが酸味に影響を与えていると考えられた。(2) 各生産地のコーヒーは,クエン酸の含有量が多く柑橘果実のような酸味を与えていると考えられた。(3) 各生産地のSPの総脂質量は,17.2~18.4g/100gであり,COの17.2~17.6g/100gに比べ多い傾...

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Veröffentlicht in:Food preservation science 2019, Vol.45(2), pp.55-61
Hauptverfasser: 堀口, 俊英, 谷岡, 由梨, 米澤, 加代, 小島, 加代子, 小暮, 更紗, 山内, 淳, 古庄, 律
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:市場で流通している生産地の異なるスペシャルティコーヒーとコマーシャルコーヒーのpHおよび滴定酸度,有機酸,総脂質量および酸価を測定し,それらの差異がコーヒーの風味に与える影響を官能評価と関連づけて検証した。(1) 各生産地のSPは4.75から5.00,COは4.79から5.05とSPのpHが有意に低く,また滴定酸度は高い傾向がみられ,それらが酸味に影響を与えていると考えられた。(2) 各生産地のコーヒーは,クエン酸の含有量が多く柑橘果実のような酸味を与えていると考えられた。(3) 各生産地のSPの総脂質量は,17.2~18.4g/100gであり,COの17.2~17.6g/100gに比べ多い傾向があり,風味におけるBody(コク,滑らかさ,質感など)に影響を与えていると考えられた。(4) 各生産地の酸価は,2.7~7.1の幅があり,SPは2.7から4.4とCOより有意に数値が低く,生豆の品質指標の1つになることが明らかとなった。(5) 理化学的な分析により得られた数値の有意性は官能評価の点数に反映されていることが判明した。
ISSN:1344-1213
2186-1277
DOI:10.5891/jafps.45.55