「あいちのかおりSBL」の早生化準同質遺伝子系統の開発とその農業形質

中食用の水稲早生品種を開発するため、業務用として需要が高い水稲中生品種「あいちのかおりSBL」について、出穂期を約10日前進化させた早生の準同質遺伝子系統の作出を目指した。早生系統「あ系873」に「あいちのかおりSBL」を連続戻し交配し、出穂期遺伝子Hd1とHd17を「あ系873」型アリルに改変した系統を作出した。この系統の出穂期について2014年から2015年に調査した結果、両年共に出穂期は目標の早生熟期となっていた。また、農業形質を2016年と2017年に調査した結果、出穂期は8.9~11.0日前進しており、2014年、2015年と同様に目標の早生熟期相当であった。しかし、「あいちのかおり...

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Veröffentlicht in:愛知県農業総合試験場研究報告 = Research bulletin of the Aichi-ken Agricultural Research Center 2018-12 (50), p.67-70
Hauptverfasser: 井手, 康人, 堀, 清純, 伊藤, 晃, 杉浦, 和彦, 濱頭, 葵, 山内, 歌子, 水林, 達美, 安藤, 露, 正村, 純彦, 加藤, 満, 池田, 彰弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:中食用の水稲早生品種を開発するため、業務用として需要が高い水稲中生品種「あいちのかおりSBL」について、出穂期を約10日前進化させた早生の準同質遺伝子系統の作出を目指した。早生系統「あ系873」に「あいちのかおりSBL」を連続戻し交配し、出穂期遺伝子Hd1とHd17を「あ系873」型アリルに改変した系統を作出した。この系統の出穂期について2014年から2015年に調査した結果、両年共に出穂期は目標の早生熟期となっていた。また、農業形質を2016年と2017年に調査した結果、出穂期は8.9~11.0日前進しており、2014年、2015年と同様に目標の早生熟期相当であった。しかし、「あいちのかおりSBL」に比較し稈長はやや短く、千粒重はわずかに小さくなった。また、精玄米重及び穂数は、2016年では「あいちのかおりSBL」以上となったが、2017年には同品種に及ばなかった。2016年には早生化に伴い登熟期の気温が高くなったため、玄米品質が大きく低下していた。よって、この「あいちのかおりSBL」早生化準同質遺伝子系統の生産現場への普及を図るためには、高温耐性を新たに付与することが必要と考えられた。
ISSN:0388-7995