荒廃農地へのヤギの放牧が植生およびヤギの栄養状態に及ぼす影響

ヤギの放牧による荒廃農地の解消を目的に,雑草を抑制しつつ,放牧のみでヤギの継続的な飼養が可能な放牧密度を明らかにするために2年間の放牧試験を実施した。荒廃農地(0.8ha)を2区に分け,それぞれ14頭/haおよび30頭/haの放牧密度で1年目は149日間,2年目は180日間,ヤギを固定放牧した。放牧を開始すると,放牧密度によらず現存草量は2t DM/ha以下に抑えられ,イネ科草本の被度が増加した。採食量および消化率も放牧密度による差はなく,1年目の放牧開始直後を除いておおむね維持要求量を満たしており,日増体量も大幅な増減を示さなかった。以上より,荒廃農地において14-30頭/haの放牧密度であ...

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Veröffentlicht in:Nippon Sōchi Gakkaishi 2019/01/15, Vol.64(4), pp.232-243
Hauptverfasser: 土井, 和也, 阿知波, 元樹, 迫田, 志帆, 小林, 明奈, 八代田, 真人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:ヤギの放牧による荒廃農地の解消を目的に,雑草を抑制しつつ,放牧のみでヤギの継続的な飼養が可能な放牧密度を明らかにするために2年間の放牧試験を実施した。荒廃農地(0.8ha)を2区に分け,それぞれ14頭/haおよび30頭/haの放牧密度で1年目は149日間,2年目は180日間,ヤギを固定放牧した。放牧を開始すると,放牧密度によらず現存草量は2t DM/ha以下に抑えられ,イネ科草本の被度が増加した。採食量および消化率も放牧密度による差はなく,1年目の放牧開始直後を除いておおむね維持要求量を満たしており,日増体量も大幅な増減を示さなかった。以上より,荒廃農地において14-30頭/haの放牧密度であるならば,放牧のみでヤギの飼育が可能であり,かつイネ科草本の被度が高まることが示唆された。
ISSN:0447-5933
2188-6555
DOI:10.14941/grass.64.232