肥育豚にみられた胆管周囲囊胞の3例

胆管周囲囊胞が肥育豚3頭に認められた.大小の囊胞は症例1では外側左葉のみに,症例2及び症例3では主として外側左葉に形成され,囊胞は左葉に偏って形成されていた.3症例ともに,囊胞は漿液性の液体を貯留していた.症例3では,左右腎臓にも囊胞が認められた.3症例ともに,肝臓の病理組織学的所見は共通していた.囊胞は門脈域に主座していた.囊胞は増生した結合組織によって取り囲まれ,近傍には大型胆管が散見された.囊胞では,一層の上皮細胞で内張りされ,内分泌細胞が介在していた.3症例ともに胆管炎が観察され,このうち2症例では,リゾチーム/ムラミダーゼ陽性細胞数が増加していた.症例3の右腎臓では,囊胞間には糸球体...

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Veröffentlicht in:Nippon Juishikai zasshi 2018/10/20, Vol.71(10), pp.593-596
Hauptverfasser: 重松, 幸典, 井本, 康俊, 鹿嶋, 傳, 大辻, 恵理花, 松永, 雅子, 久島, 昌平
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胆管周囲囊胞が肥育豚3頭に認められた.大小の囊胞は症例1では外側左葉のみに,症例2及び症例3では主として外側左葉に形成され,囊胞は左葉に偏って形成されていた.3症例ともに,囊胞は漿液性の液体を貯留していた.症例3では,左右腎臓にも囊胞が認められた.3症例ともに,肝臓の病理組織学的所見は共通していた.囊胞は門脈域に主座していた.囊胞は増生した結合組織によって取り囲まれ,近傍には大型胆管が散見された.囊胞では,一層の上皮細胞で内張りされ,内分泌細胞が介在していた.3症例ともに胆管炎が観察され,このうち2症例では,リゾチーム/ムラミダーゼ陽性細胞数が増加していた.症例3の右腎臓では,囊胞間には糸球体や尿細管を含む腎実質がわずかに残存していた.症例3は胆管周囲囊胞に多発性腎囊胞を併発した最初の症例報告であった.
ISSN:0446-6454
2186-0211
DOI:10.12935/jvma.71.593